三十六計暗渡陳倉

  • 要旨: 表向きの動きを見せて敵の油断を誘い、その裏で本当の行動(暗渡)を進める計略。表の策(正)があってこそ、裏の奇策(奇)が生きるとする。

計の要点

  • 「示之以動、利其靜而有主、益動而巽」として、動きを見せつけて敵を油断させ、静かに主導権を握ることが有利だとする。
  • 奇策は正攻法があってこそ成り立つとし、表向きの「桟道を修復する」動きを示さなければ、裏で密かに「陳倉を渡る」奇策は成立しないとする。

按語の補足

  • 三国時代、鄧艾が白水の北に、姜維が廖化を白水の南に配置して陣営を結んだ際、鄧艾は「姜維が兵を戻したのに橋を架けないのは、廖化に我が軍を牽制させて自らは東の洮城を奇襲するつもりだ」と見抜き、夜のうちに密かに洮城へ先回りして守りを固めた。果たして姜維は渡河してきたが、鄧艾が先に城を押さえていたため陥落を免れたという(三国時代、255年頃)。
  • この事例では、姜維が暗渡陳倉の計をうまく用いられず、鄧艾がその声東撃西の意図を見破ったのだとする。