三十六計無中生有
- 要旨: 偽りは偽りのままでは長続きしないが、偽りの中から真実を生じさせることで敵を欺き、破ることができるという計略。
計の要点
- 「誑也、非誑也、實其所誑也」として、単なる偽りではなく、偽りに実質を伴わせることが要諦だとする。
按語の補足
- 無いものを有ると見せかけるのは単なる欺きに過ぎず、長くは続かず見破られやすいため、無を無のままで終わらせてはならないとする。無から有を生じさせれば、偽りが真実に、虚が実に転じ、敵を破ることができるとする。
- 唐の張巡が雍丘を包囲した令狐潮に対し、藁人形千余体を黒い夜陰に紛れて城壁から吊り下げたところ、敵は矢を射かけ数十万本を得た。その後また夜に人を吊り下げると、敵は今度は笑って備えを怠り、そこで張巡は決死隊五百人で敵の陣営に切り込み、陣幕を焼いて十余里追撃したという故事を挙げる(安史の乱、756〜757年頃)。