三十六計借刀殺人

  • 要旨: 敵の意図がはっきりし、味方がまだ定まらない時、他者の力を借りて敵を打ち、自らは力を消耗しない計略。

計の要点

  • 敵の姿が既に明らかで、味方がまだ態度を決めていないなら、その味方を引き入れて敵を討たせ、自分自身の力を損なわないようにするべきだとする。

按語の補足

  • 敵の様子が露わになり、別の勢力が台頭して何か事を起こそうとしている時は、その力を借りて敵を潰すべきだとする。
  • 鄭の桓公が鄶(かい)を襲おうとした際、鄶の有能な家臣の名を書き連ね、良田や官爵を与えるふりをして偽の盟約文書を城門に埋めた。鄶の君主はこれを内部の反乱の証と誤解し、有能な家臣を皆殺しにしてしまい、桓公はその隙に鄶を攻め取ったという故事を挙げる(春秋時代、紀元前8世紀頃)。
  • また、諸葛亮が呉と和して魏に当たった策や、関羽が樊城・襄陽を包囲した際、曹操が遷都を考えたところ、司馬懿と蔣済が「劉備と孫権は表面上親しいが内心は疎遠であり、関羽の勝利は孫権の望むところではない。江南割譲を約束する使者を送れば、樊城の包囲は自ずと解ける」と進言し、曹操がこれに従った結果、関羽が捕らえられた故事を挙げる(三国時代、219年頃)。