三國演義第三十六回 玄徳は計を用い樊城を襲い、元直は馬を走らせ諸葛を薦める (玄德用計襲樊城 元直走馬薦諸葛)
八門金鎖陣を破る
- 曹仁は敗れた呂曠・呂翔の仇討ちに大軍で新野へ迫る。単福(徐庶)の策により、玄德軍は初戦で趙雲が李典を退け、曹仁が慎重論の李典を叱責して自ら陣頭に立つ。
- 曹仁が布いた「八門金鎖陣」の弱点を単福が見抜き、趙雲に東南の生門から西の景門へ突入させて陣を崩し、曹操軍を大敗させる。
夜襲失敗と樊城陥落
- 曹仁は李典の忠告を無視して夜襲を強行するが、単福はこれを予測して火計と伏兵で迎え撃ち、曹仁軍は黄河を渡って敗走する途中、張飛の追撃も受け大損害を被る。
- 樊城へ逃げ帰った曹仁だが、城はすでに関羽に奪われており、さらに敗走を重ねて許昌へ逃げ帰る。
樊城占領と劉封の縁組
- 玄德は樊城に入り民心を安んじる。県令劉泌の甥・寇封を気に入り養子に迎え、劉封と改名させる。関羽は「後に禍根となる」と養子縁組に難色を示すが、玄德は取り合わない。
単福の正体と徐母の連行
- 曹仁の報告を受けた曹操は、単福の正体が実は潁川の徐庶(字元直)であることを程昱の説明で知り、その才を惜しんで味方に引き入れようとする。
- 程昱の献策により、曹操は徐庶の母を許昌に連れて来させ、息子を呼び戻す手紙を書かせようとするが、徐母は玄德の仁徳を称え曹操を痛烈に罵り、殺されかけたところを程昱に止められる。
- 程昱は徐母を害さず丁重に扱いつつ、その筆跡を真似て偽の家書を作り、新野の徐庶に届けさせる。
徐庶の別れと諸葛亮の推薦
- 偽の手紙を信じた徐庶は玄德に事情を告げて暇乞いをする。玄德は孫乾の「引き留めるべき」との進言を「不仁不義になる」と退け、涙ながらに徐庶を見送る。
- 見送りの途上、徐庶は思い出したように引き返し、南陽隆中に住む諸葛亮(臥龍先生)を推薦する。管仲・楽毅にも勝る経綸の才を持つ人物だと説き、これが水鏡先生の言う「伏龍・鳳雛」の一人であることを玄德に明かす。
- (詩:徐庶が涙の別れの中で臥龍を推薦したことを讃える)
- 徐庶は諸葛亮の草廬に立ち寄り、玄德への推薦を伝えるが、孔明は「自分を生贄の供物のように扱うのか」と気色ばみ、袖を払って奥へ引っ込んでしまう。徐庶は恥じ入りつつ許昌の母のもとへ急ぐ。