遼史卷一百八 列傳第三十八 耶律伊伯格勒

卜占の逸話

耶律伊伯格勒、字は錫訥。六院郎君尼古察の後裔で、幼くして学を好み、とりわけ卜筮に長じ、仕官を望まなかった。ある人のために墓地を選んだ際、「三日後に牛が人に乗るような光景が現れる者が通り過ぎたら、そこで穴を開けよ」と告げると、期日通り、乳飲み子の牛を背負い、母牛を引いて通る者が現れた。その人が「牛が人に乗るとはこのことだ」と言い、そこで穴を開けて葬ったところ、吉凶すべて言葉の通りになった。また鷹を失った者のために占って「鷹はあなたの家の東北三十里、泺の西の榆の木の上にいる」と告げ、行って探すと果たして見つかった。当時の占いはことごとく的中したという。

史論

方技とは術に携わる者である。その業に精通しながら道に背かなければ、君子もこれを認めるべきである。珠勒呼・王白・耶律達魯には大きな過失がなく、伝に録するのは相応しい。魏璘は察克の謀反を占い、雅斯哈の僭立を占ったのであるから、その罪は容赦できない。多少の長所があっても取るに足りない。それでも記録から削らずに残すのは、後世への戒めとするためである。