- 要旨: 太公望は寡兵で強敵の夜襲を受け動揺する事態を「震寇」と呼び、守勢ではなく出撃して精鋭で敵の前後を挟撃すべきだと説き、内外の連絡が絶たれた場合には炬火と太鼓の合図で呼応する策を示す。
震寇への対処
- 武王が、諸侯の地に深く入り敵と対峙し、敵が多く強く我が寡弱な状況で、敵が夜に来て左右を攻め三軍が動揺する場合、戦って勝ち守って固くする方法を問う。
- 太公望は、これを「震寇」と呼び、出て戦うべきで守るべきではないとする。材士・強弩・車騎を選んで左右に配し、疾く敵の前を撃ち急ぎその後を攻め、あるいは表を撃ちあるいは裏を撃てば、敵の兵は必ず乱れ将は必ず驚くとする。
内外の連絡が絶たれた場合
- 武王が、敵に前を遠く遮られ後を急ぎ攻められ、精鋭・材士を断たれ内外の連絡が取れず、三軍が乱れて散り走り、士卒に闘志がなく将吏に守る心もない場合の対処を問う。
- 太公望は「王の問いは明察である」とした上で、号令を明らかにし、勇士・精鋭・冒険心のある将士を出し、各人に炬火を持たせ二人で一つの鼓を打たせるべきだとする。
- 敵の所在を必ず知った上で表を撃つか裏を撃つかし、微かな合図で互いに知らせ合い、命じて火を消し鼓の音を止めさせる。
- こうして内外が呼応し約束の期日が合えば、三軍が疾く戦い敵は必ず敗亡すると結ぶ。武王はこれに「善哉」と応じる。