六韜臨境

  • 要旨: 太公望は国境を挟んで両軍が動けず対峙する場合、軍を分けて表向きは守りを固めつつ精鋭で奇襲する策、さらに敵に謀を見抜かれた場合には老弱の兵で敵を欺き疲れさせてから攻める策を説く。

対峙時の奇襲策

  • 武王が国境で敵と対峙し互いに動けず、こちらから襲おうとしても敵も動けるという状況での対処を問う。
  • 太公望は兵を三所に分け、前軍には溝を深く塁を高くして出撃させず、旌旗を列ね鼙鼓を撃って守備を固めさせ、後軍には糧食を多く蓄えさせ、こちらの意図を敵に知らせないようにすべきだとする。
  • その上で精鋭の士を発し、敵の中を密かに襲い、不意を突き無備を攻めれば、敵はこちらの情を知らず動かなくなるとする。

敵に謀を見抜かれた場合

  • 武王が、敵にこちらの情や謀を知られ、精鋭が深草に伏せて隘路を待ち構え、有利な場所を狙って撃ってくる場合の対処を問う。
  • 太公望は、前軍に日々挑戦させて敵の心を疲れさせ、老弱の兵には柴を曳いて塵を揚げさせ、鼓を打ち叫びながら行き来させ、あるときは左に、あるときは右に出て、敵から百歩を超えぬ距離まで近づかせるべきだとする。
  • こうすれば敵の将は疲れ、兵は驚き怖じ、敵はもはや攻めてこられなくなる。
  • こちらが休みなく往来する中で、あるときは内を襲い、あるときは外を撃ち、三軍が疾く戦えば敵は必ず敗れると結ぶ。