- 要旨: 太公望は険阻な水地で軍を進めるには事前の周到な準備が不可欠であるとし、攻城・行軍・防御・渡河それぞれの場面で用いる器械を具体的に挙げ、備えがあれば主将は憂えることがないと説く。
渡河が滞る窮地
- 武王が深谿大谷の険阻な水地に至り、三軍が渡り終わらぬうちに暴雨で水が増し、舟橋の備えも水草の資もない状況で、三軍を滞らせず渡らせる方法を問う。
事前準備の重要性
- 太公望は、軍を率いる者が予め慮らず器械を備えず、教練が徹底されず士卒が習熟していなければ、それは王者の兵とは言えないと説く。
- 三軍に大事があるときは必ず器械の運用に習熟しておくべきだとする。
場面ごとの器械
- 攻城・囲邑には轒轀(車の一種)・臨衝(衝車)を用いる。
- 城中を視るには雲梯・飛楼を用いる。
- 三軍の行止には武衝・大櫓を用いる。
- 前後の防守や道を絶ち街を遮るには、材士・強弩を両側から衝かせる。
- 営塁を設けるには天羅・武落・行馬・蒺藜を用いる。
- 昼は雲梯に登って遠望し五色の旗を立て、夜は雲火・松明を多く用いて雷鼓を撃ち鼙鐸を振り笳を吹き鳴らす。
- 溝塹を越えるには飛橋・転関・轆轤・鉏鋙を用いる。
- 大水を渡るには天潢・飛江を用いる。
- 逆流を遡るには浮海・絶江の具を用いる。
結び
- これらの器用が備わっていれば、主将には何の憂いもないと結ぶ。