- 要旨: 太公望は君主が国と民を失う原因は人材の見極めを誤ることにあるとし、六つの守るべき徳目(六守)と、農・工・商の三つの基盤(三寶)を説く。
六守
- 文王が君国主民の者が国を失う理由を問うと、太公望は「与える相手を慎重に選ばないため」と答え、人君には六守・三寶があると説く。
- 六守とは仁・義・忠・信・勇・謀の六つである。
六守の見極め方
- 富ませてもその者が道を犯さなければ仁、貴くしてもおごらなければ義、任せても変節しなければ忠、使っても隠し事をしなければ信、危地に置いても恐れなければ勇、事に当たらせても行き詰まらなければ謀があるとする。
- 人君はこの三寶(後述)の権を人に貸してはならず、貸せば君主は威を失うと戒める。
三寶
- 三寶とは大農・大工・大商の三業である。
- 農がその郷に定まれば穀物が足り、工がその郷に定まれば器物が足り、商がその郷に定まれば財貨が足りるとする。
- 三寶がそれぞれの持ち場に安んじれば民は憂えなくなり、郷や族を乱してはならないと説く。
- 臣下は君主より富んではならず、都は国より大きくてはならないとし、六守が長く保たれれば君は栄え、三寶が全うされれば国は安泰であると結ぶ。