六韜守土

  • 要旨: 太公望は国土を守る要諦として、親族を疎んじず民衆を怠らず、権力を人に貸さず、事が小さいうちに手を打つべきことを説き、それを仁義の実践に結びつける。

国土を守る心得

  • 親族を疎んじず、民衆を怠らず、左右の側近を慰撫し、四方を統御すべきである。
  • 国の権柄を人に貸してはならない。貸せばその権を失う。
  • 谷を掘って丘に土を付け足すような本末転倒をせず、根本をなおざりにして末端を治めてはならない。

早期対処の譬え

  • 日が中天にあるうちに彗(かざり払い)を行い、刀を執ったら割き、斧を執ったら伐るべきで、時機を逃せば失う。
  • 小さな水の漏れを塞がなければやがて大河となり、小さな火を消さなければ燃え広がる。芽のうちに除かなければ、ついには斧を用いることになると譬える。

富と仁義

  • ゆえに君主は必ず富を求める務めに従うべきで、富がなければ仁を行うことができず、施しがなければ親族と睦むこともできないとする。
  • 親族を疎んじれば害となり、民衆を失えば敗れる。国の利器(権力)を人に貸せば、その人に害され天寿を全うできない。

仁義の要

  • 文王が仁義とは何かを問うと、太公望は「民衆を敬い、親族と睦むこと」と答える。
  • 民衆を敬えば和し、親族と睦めば喜び、これが仁義の要であるとする。
  • 人に自分の威を奪わせず、明らかな道理に従い常道に順うべきで、順う者は徳をもって任じ、逆らう者は力をもって断つべきだとし、敬いて疑わなければ天下は和して服すると結ぶ。