六韜文師
- 要旨: 太公望が文王に、天下を得るには利を独占せず民と分かち合うべきだと説き、それによって文王に見出され師となった経緯を語る。
卜占と出会い
- 文王が狩りに出る前、史官の編が占うと、龍でも虎でもない兆しにより「公侯」を得て、周を助ける師に出会うという結果が出た。
- 文王は渭水の北で、茅を敷いて釣りをしていた太公望と出会う。
釣りの譬え
- 太公望は「君子は志を得ることを楽しみ、小人は事を得ることを楽しむ」と述べ、自らの釣りはそれに似ていると語る。
- 釣りには禄・死・官という三つの「権」があり、餌の精粗によって釣れる魚の大小が変わるように、禄の厚薄によって従う人の質が変わると説く。
- 餌で魚を取るように禄で人を取り、家で国を取り、国で天下を取ることができると論じる。
天下は一人のものではない
- 天下は一人のものではなく天下の人々のものであり、利を独占する者は天下を失い、利を共にする者が天下を得ると説く。
- 仁・徳・義・道の四つを備えることで、天下は自然にその者へ帰服すると論じる。
- 文王はこの言葉に深く納得し、太公望を車に乗せて連れ帰り、師として立てた。