列女傳卷六 齊女徐吾

貧しさから灯を分けてもらえない

  • 斉の女徐吾は、斉の東海のほとりの貧しい婦人である。隣の婦人李吾らの一族と灯を持ち寄って共に夜なべの手仕事をしていた。徐吾は最も貧しく、灯の油を続けて出せなかった。李吾は仲間に「徐吾は油が続かない、もう夜なべに加えなくてよい」と言った。

徐吾の弁明

  • 徐吾は「それはどういうことでしょう。私は貧しく灯油が続かないからこそ、いつも人より早く起きて遅くまで働き、部屋を掃き席を整えて皆さんを迎え、自分は粗末な場所に座って端に控えております。それもすべて灯油が続かないためです。一つの部屋に一人増えても灯は暗くならず、一人減っても灯は明るくなりません。東の壁に映るわずかな余光を惜しんで、貧しい私にこれを見させてくださらないのですか。恩恵として私にお手伝いをさせていただければ、皆さまにも常々お役に立てるのではありませんか」と述べた。
  • 李吾は答えることができず、結局また共に夜なべを続けることになり、その後は不満の声も出なかった。君子は「婦人が言葉によって隣人に見捨てられなかったのだから、言葉は決しておろそかにできない」と評した。

史論

  • 『詩経』に「言葉が和やかであれば、民は心を一つにする」とあるが、まさにこのことである。
  • 頌に曰く、斉の女徐吾は、夜なべの仲間の中で独り貧しかった。夜に灯を頼ろうとすると李吾はこれを断ろうとしたが、徐吾は自ら道理を並べ立て、その言葉はきわめて筋道立っており、ついに仲間に加わることができ、最後まで不満の声が出ることはなかった、という。