南齊書卷五十五 列傳第三十六 陸絳

陸絳

  • 字は魏卿、呉郡の人。父の陸閑、字は遐業。人と安易に付き合わず、張緒に見出されて揚州別駕に至った。明帝崩御の際、「主上が地位重く才弱く必ず難が起こる」と予感し州事に関わらなくなった。刺史・始安王遥光の謀反で綱佐として召された際、司徒尚書令・徐孝嗣が「陸閑は逆謀に関与していない」と啓したが返事を待たず徐世摽により殺害され、陸絳は父の首を抱いて身代わりを乞うたが共に殺された。

史論

  • 史臣曰く、澆薄な風潮が起こると人倫は損なわれ、教化の理想は珪璋の璞が完成する例が少ないと聞くのみになる。事に長じ忠に移す者があれば、辛酸を舐めても本質を変えぬ薑桂のようであるべきだが、旌閭や存問・牢の施しは鰥寡や力田を勧めるに過ぎず、名教を奨めるにはまだ多いとは言えない。

  • 賛に曰く、孝は行いの首、義は実に心に由る。白華(操を持す花)は節を秉り、寒木は心を斉しくする。