明史演義第六十八回 権門勢倒れ禍児曹に及ぶ/王府の銀、帰途に暴客に逢う (權門勢倒禍及兒曹 王府銀歸途逢暴客)
鄒応龍の弾劾
- 鄒応龍は、厳世蕃の売官収賄・不孝不忠の数々(官職の値付け、家僕嚴年を通じた収賄の仲介、母の喪中の放蕩など)を詳細に列挙して弾劾の上疏を行う。世宗は激怒し、大学士徐階を召して対応を諮る。
嚴氏父子の失脚
- 徐階は表向き嚴嵩邸を訪ねて庇う素振りを見せつつ、内心では厳しい処断を世宗に進言していた。まもなく世蕃が投獄され、嚴嵩は致仕を命じられる。世蕃の子嚴鵠・嚴鴻、家僕嚴年、腹心羅龍文らも次々と連座で捕らえられる。
減刑工作と処分
- 鄢懋卿・萬寀は、扶乩で嚴氏を批判していた藍道行に罪をなすりつけ、徐階への疑いにすり替えようとするが、道行はこれを拒み失敗する。
- 結果、世蕃は雷州衛への流罪、嚴年は永禁、鄢懋卿・萬寀も含め関係者が芋づる式に免官・降格となる。
世宗の禅位発言
- 世宗は徐階に禅位して道教修行に専念したい意向を漏らすが、徐階は強く諫めて思いとどまらせる。世宗はなお嚴嵩の玄修への功績を評価し、再び批判する者は許さないと釘を刺す。景王載圳の帝位への野心と、その後の早世も語られる。
厳嵩の晩年と厳世蕃の逃亡潜伏
- 帰郷した嚴嵩は、南昌で道士藍田玉の「召鶴の術」を献上して寵を得ようとするが、子世蕃の赦免は拒絶される。世蕃と孫の鵠は流刑地を脱走して帰郷し、潜伏中の羅龍文とともに徐階・鄒応龍への報復を企てるが、嚴嵩はこれを強く諫める。
伊王典楧の暴虐と金銭トラブル
- 民女強奪など淫虐の限りを尽くした伊王典楧が告発され庶人に落とされる。嚴嵩に贈った賄賂の返還を求める使者一行が帰路で盗賊に襲われるが、これは実は世蕃が仕組んだ偽装で、金は嚴家に戻る。
郭諫臣の屈辱
- 嚴嵩の私邸の普請現場を通りかかった袁州推官郭諫臣が、増長した家僕の嚴六に侮辱され、瓦礫を投げつけられる場面で回が終わる。
評語
権勢を笠に着て他人を見下す者への戒めを詩に込める。豪門もひとたび勢いを失えば廃墟となる、増長した家僕こそが家門没落の禍のもとだと詠う。