明史演義第六十七回 海剛峰、剛方にして俗を絶す/鄒応龍、夢に応じ奸を劾す (海剛峰剛方絕俗 鄒應龍應夢劾奸)
血詩の宮女張氏
- 世宗が涙した血詩は、寵を失い冷宮で病死した宮女張氏の遺品だった。世宗は感傷し、報告が遅れたことを咎めて関係の宦官を杖罰する。
沈煉の受難
- 嚴嵩弾劾で保安に流された沈煉は、配所で嚴嵩父子を模した藁人形を作らせるなど公然と非難を続ける。厳世蕃の意を受けた楊順・路楷は、妖人事件への連座を口実に沈煉を処刑し、子らも獄死・流罪とする。
楊順・路楷の不正発覚
- 韃靼の女桃松寨の投降騒動から敵将辛愛の侵攻を招き、楊順は賄賂で失策を隠蔽するが、給事中吳時来の弾劾で発覚し、楊順・路楷は失脚。楊博が兵部尚書となり辺境防備を固める。
王忬の冤罪死と鄢懋卿の栄達
- 厳世蕃は古画を巡る私怨から王忬を讒言し、王忬は処刑される。鄢懋卿はその功で塩政の総理に抜擢され、豪奢を極めた巡察を行う。
海瑞の清廉
- 淳安知県海瑞は、鄢懋卿の巡察を質素にもてなし、正論をもって応対する。後に讒言で弾劾され免官となるが、超然として受け入れる。
文徴明の節操
- 厳世蕃の再三の招きを拒み通した書画家文徴明(呉中四才子の一人)の逸話が語られる。
厳世蕃の失脚の兆し
- 母歐陽氏の死後、世蕃は服喪中でありながら享楽にふけり、政務の代行が疎かになって世宗の不興を買う。方士藍道行の扶乩により、嚴氏父子を「大蠹」とする示唆がなされる。
- 万寿宮の火災を機に、嚴嵩は「南内への遷居」を進言して失策となり、代わって徐階が世宗の信任を得る。
- 御史鄒応龍は、夢で東楼(厳世蕃)を射よとの啓示を受け、弾劾の上疏を決意する場面で回が終わる。
評語
「時来風送滕王閣、運退雷轟薦福碑」(時運が来れば風も味方するが、運が尽きれば災いも重なる)の故事を引き、栄枯盛衰は時運次第であるとして、嚴氏父子の末路を暗示する。