明史演義第六十六回 汪寇の目、計に中り誅に遭う/尚美人、衣を更えて寝に侍る (汪寇目中計遭誅 尚美人更衣侍寢)
趙文華の失脚と死
- 正陽門楼の修築が期限に間に合わず、嚴嵩の取りなしも及ばず、趙文華は世宗の勅命で解任され帰郷を命じられる。子の懌思も辺境流罪となり、文華自身は庶民に落とされる。帰路、持病の蠱疾が悪化し、腹が破裂して急死する。
胡宗憲の汪直招降策
- 趙文華失脚後、胡宗憲は残る大物海賊汪直(同郷の徽州人)に狙いを定める。汪直の母妻を保護して厚遇し、諸生蔣洲を派遣して投降を説く。
- 汪直はいったん承知するが来航が遅れ、疑った巡按周斯盛が蔣洲を投獄する。だが汪直自身が現れ、宗憲は自ら出迎えて厚くもてなし、赦免を奏請する。
汪直の処刑
- 朝廷からの返答は「就地正法」(現地で処刑せよ)。宗憲は本心を隠したまま汪直を酒宴に招き、油断させたところで捕縛・処刑する。
- 汪直の残党は激怒し、宗憲側の使者夏正を殺害して離散する。宗憲は「巨魁を誅し海寇を平定した」と奏上し、太子太保に封ぜられる。
世宗の道教傾倒と徽王の破滅
- 世宗は外寇平定を陶仲文の功徳として恭誠伯に封じる。偽術が露見した段朝用は誅殺される。
- 徽王朱載埨は方士梁高輔の秘薬(幼女の初潮の血を用いた製法という)にのめり込み、これを世宗に推挙。世宗もこの薬で若返り、多くの妃を寵愛できるようになる。
- 載埨は高輔との金銭トラブルから逆恨みされて悪行(民女の強奪等)を告発され、庶人に落とされて自殺。妃妾も殉死し、徽王家は断絶する。
尚美人の寵愛
- 世宗は薬効で壮健さを取り戻し、選ばれた幼い女官たちを寵愛するようになる。ある夜、居眠りして磬を打ち損じた世宗を笑った13歳の尚氏がかえって帝の目に留まり、無理やり閨に召される。
- 同夜、詩才で知られる王氏(後の莊妃)も召され寵愛を受ける。
- 数日後、寵を失い病死した宮女張氏が血で詩を書き残した羅巾が届けられる場面で回が終わる。