明史卷三十三 志第九 厯三

  • 本巻は「大統厯法一下(法原)」、すなわち大統厯の計算法がよって立つ原理を扱う。

太陽盈縮平立定三差之原

  • 冬至の前後、盈初縮末の限は八十八日九十一刻(端数は整数に丸める)。これを六段に分け、各段は一十四日八十二刻(同じく丸める)とする。各段で実測した日躔の度数を平行の度数と比べ、その差を積差とする。
  • 冬至前後(盈初縮末)の積日と積差
積日 積差
第一段 一十四日八二 七千○五十八分○二五
第二段 二十九日六四 一萬二千九百七十六(三九二)
第三段 四十四日四六 一萬七千六百九十(三七四六二)
第四段 五十九日二八 二萬一千一百四十八(七三二八)
第五段 七十四日一○ 二萬三千二百七十九(九九七)
第六段 八十八日九二 二萬四千○二十六一八四
  • 各段の積差をその段の積日で割ったものを、その段の日平差とする。各段の日平差と次段の日平差との差を一差とし、一差と次段の一差との差を二差とする。
  • 冬至前後の日平差・一差・二差
日平差 一差 二差
第一段 四百(七十六分二五) 三十八分(四五) 一分三八
第二段 四百(三十七分八○) 三十九分(八三) 一分三八
第三段 三百(九十七分九七) 四十一分(二一) 一分三八
第四段 三百(五十六分七六) 四十二分(五九) 一分三八
第五段 三百(一十四分一七) 四十三分(九七)
第六段 二百(七十○分二○)
  • 定差・平差・立差の求め方。第一段の日平差四百七十六分二十五秒を汎平積とする。第二段の二差一分三十八秒を第一段の一差三十八分四十五秒から引き、余りの三十七分○七秒を汎平積差とする。別に第一段の二差一分三十八秒を半分にした六十九秒を汎立積差とする。汎平積差三十七分○七秒を汎平積四百七十六分二十五秒に加えて五百一十三分三十二秒、これが定差。汎立積差六十九秒を汎平積差三十七分○七秒から引いた余り三十六分三十八秒を実とし、段日一十四日八十二刻を法として割ると二分四十六秒、これが平差。汎立積差六十九秒を実とし、段日を法として二度割ると三十一㣲、これが立差。
  • 夏至の前後、縮初盈末の限は九十三日七十一刻(端数は整数に丸める)。これを六段に分け、各段は一十五日六十二刻(同じく丸める)とする。各段の実測日躔度数を平行と比べて積差とする。
  • 夏至前後(縮初盈末)の積日と積差
積日 積差
第一段 一十五日六二 七千○五十八分九九○四
第二段 三十一日二四 一萬二千九百七十八(六五八)
第三段 四十六日八六 一萬七千六百九十六(六七九)
第四段 六十二日四八 二萬一千一百五十○(七二九六)
第五段 七十八日一○ 二萬三千二百七十八(四八六)
第六段 九十三日七二 二萬四千○百一十七(六二四四)
  • 日平差・一差・二差を求める手順は盈初縮末と同じ。
日平差 一差 二差
第一段 四百(五十一分九二) 三十六分(四七) 一分三三
第二段 四百(一十五分四五) 三十七分(八○) 一分三三
第三段 三百(七十七分六五) 三十九分(一二) 一分三三
第四段 三百(三十八分五二) 四十○分(四六) 一分三三
第五段 二百(九十八分○六) 四十一分(七九)
第六段 二百(五十六分二七)
  • 第一段の日平差四百五十一分九十二秒を汎平積とする。第一段の二差一分三十三秒を第一段の一差三十六分四十七秒から引き、余り三十五分一十四秒を汎平積差とする。別に第一段の二差一分三十三秒を半分にした六十六秒五十㣲を汎立積差とする。汎平積差三十五分一十四秒を汎平積四百五十一分九十二秒に加えて四百八十七分○六秒、これが定差。汎立積差六十六秒五十㣲を汎平差三十五分一十四秒から引いた余り三十四分四十七秒五十㣲を実とし、段日一十五日六二を法として割ると二分二十一秒、これが平差。汎立積差六十六秒五十㣲を実とし、段日を法として二度割ると二十七㣲、これが立差。
  • 盈縮を求めるには、入厯の初日または末日に立差を掛けた数を平差に加え、さらにその初末日を掛けた数を定差から引き、残りにまた初末日を掛ける。得られたものが盈縮積である。
  • 盈厯は八十八日九○九二二五を限とし、縮厯は九十三日七一二○二五を限とする。この限以下なら初、以上なら半歳周から引いた残りを末とする。盈初は冬至の後から順に推し、縮末は冬至の前から逆に数えるもので、冬至からの隔たりが等しいから盈積も等しい。縮初は夏至の後から順に推し、盈末は夏至の前から逆にさかのぼるもので、夏至からの隔たりが等しいから縮積も等しい。

盈縮招差圖と圖説

  • 盈縮招差圖が掲げられているが、底本のこの箇所は図版で、文字としての内容を持たない。
  • 招差の法はもともと一象限ぶんの法である(盈厯なら八十八日九十一刻を象限とし、縮厯なら九十三日七十一刻を象限とする)。ここで九限までしか作っていないのは、これを例として示すためである。
  • 図の空欄九行にある定差の本数が実であり、斜線より上の平差・立差の数が法である。斜線より下の空欄にある定差は余実にあたる。
  • たとえば定差を一萬、平差を一百、立差を単一として九限を求める場合。九限に定差を掛けて九萬を実とし、別に平差に九限を二度掛けて八千一百、立差に九限を三度掛けて七百二十九、両者を合わせて八千八百二十九を法とする。法を実から引くと余り八萬一千一百七十一、これが九限積である。
  • 別法では、九限に平差を掛けて九百、九限を立差に二度掛けて八十一、合わせて九百八十一を法とし、定差一萬を実として法を引くと余り九千零一十九、これが九限の末位に書かれる定差である。そこで改めて九限を余実に掛けると八萬一千一百七十一となり、先の結果と一致する。前の法は先に掛けて後に引き、別法は先に引いて後に掛けるので、道理は同じである。
  • 按ずるに、授時厯は七政の盈縮をすべて垜積招差によって計算する。その法は天の運行に巧みに合致し、西洋人が小輪を用いて推歩する法とは道筋が違っても行き着く先は同じである。ただし世に伝わる九章以下の諸書はその術を載せず、厯草はその術を載せるがなぜそうなるかを説かない。宣城の梅文鼎がこれに図解を施し、平差・立差の理と垜積の法について、そのゆえんを明らかにした。専門の書が世に行われており全部は収められないので、招差圖説だけを謹んで録し、立法の大意を示すこととする。
  • 立成を作る手順。盈初縮末では、立差三十一㣲を六倍して一秒三十六㣲を加分立差とする。平差二分四十六秒を倍して四分九十二秒、これに加分立差を加えて四分九十三秒八十六㣲を平立合差とする。定差五百一十三分三十二秒から平差二分四十六秒を引き、さらに立差三十一㣲を引いた余り五百一十○分八十五秒六十九㣲が加分である。
  • 縮初盈末では、立差二十七㣲を六倍して一秒六十二㣲を加分立差とする。平差二分二十一秒を倍して四分四十二秒、これに加分立差を加えて四分四十三秒六十二㣲を平立合差とする。定差四百八十七分○六秒から平差二分二十一秒を引き、さらに立差二十七㣲を引いた余り四百八十四分八十四秒七十三㣲が加分である。
  • 以上はいずれも初日の数値である。次の日を推すには、加分立差を平立合差に累加して次日の平立合差とし、平立合差をその日の加分から引いて次日の加分とする。盈も縮も同じで、加分を積み上げたものが盈縮積となる。その数はすべて立成に見える。

太隂遲疾平立定三差之原

  • 太陰の転周は二十七日五十五刻四六。これを四象に分け、各象を七段、四象で二十八段とする。各段は十二限、各象は八十四限で、あわせて三百三十六限で四象が一周する。四象を法として転周日を割ると、一象は六日八八八六五分、これを七段に分ける。各段の下で月行の遅疾を実測し、平行と比べて積差を求める。
  • 積限と積差
積限 積差
第一段 一十二 一度二十八分七一二
第二段 二十四 二度四十五分九六一六
第三段 三十六 三度四十八分三七九二
第四段 四十八 四度三十二分五九五二
第五段 六十 四度九十五分二四
第六段 七十二 五度三十二分九四四
第七段 八十四 五度四十二分三三七六
  • 各段の積差をその段の積限を法として割り、各段の限平差とする。各段の限平差と次段のそれとの差を一差とし、一差と次段の一差との差を二差とする。
限平差 一差 二差
第一段 一十○分(七二六○) 四十七秒(七六) 九秒三六
第二段 一十○分(二四八四) 五十七秒(一二) 九秒三六
第三段 九分(六七七二) 六十六秒(四八) 九秒三六
第四段 九分(○一二四) 七十五秒(八四) 九秒三六
第五段 八分(二五四○) 八十五秒(二○) 九秒三六
第六段 七分(四○二○) 九十四秒(五六)
第七段 六分(四五六四)
  • 第一段の限平差一十○分七二六を汎平積とする。第一段の一差四十七秒七六から第一段の二差九秒三六を引き、余り三十八秒四十㣲を汎平積差とする。別に第一段の二差九秒三十六㣲を半分にした四秒六十八㣲を汎立積差とする。汎平積差三十八秒四十㣲を汎平積一十○分七二六に加えて一十一分一十一秒、これが定差。汎平積差三十八秒四十㣲から汎立積差四秒六十八㣲を引いた余り三十三秒七十二㣲を実とし、十二限を法として割ると二秒八十一㣲、これが平差。汎立積差四秒六十八㣲を実とし、十二限を法として二度割ると三㣲二十五纖、これが立差。
  • 遲疾を求めるには、入厯日に十二限二十分を掛け、八十四限以下なら初、それ以上なら一百六十八限から引いた残りを末とする。初末限に立差を掛けた数を平差に加え、さらに初末限を掛けた数を定差から引き、残りに初末限を掛けたものが遲疾積である。初限は最遅・最疾の点から後へ順に推し、末限は最遅・最疾の点から前へ逆に□(底本欠字)るもので、最遅・最疾の点からの隔たりが等しいから積度も等しい(太陰は太陽と立法が同じである。ただし太陽は定気で限を立てるので盈縮の数が異なり、太陰は平行で限を立てるので遲疾は同じ原による)。
  • 立成を作る法。立差三㣲二十五纖を六倍して一十九㣲五十纖、これを損益立差とする。平差二秒八十一㣲を倍して五秒六十二㣲、これに損益立差一十九㣲五十纖を加えて五秒八十一㣲、これが初限の平立合差である。これより損益立差を累加していけば各限の平立合差となる。八十限の下では積んで二十一秒四一五となり、これが平立合差の極である。八十一限の下は一秒七八○九、八十二限の下は一秒七八○八。八十三限の下では平立合差が益分と中分を等しくして益分の終わりとなり、八十四限の下でも損分と中分を等しくして損分の始まりとなる。八十六限の下でも差はやはり二十一秒四一五。これより損益立差を累減していけば各限の平立合差となり、末限では初限と同じになる。
  • 定差一十一分一十一秒から平差二秒八十一㣲を引き、さらに立差三㣲二十五纖を引いた余り一十一分○八秒一十五㣲七十五纖が加分定差、すなわち初限の損益分である。損益分にその限の平立合差を、益なら減じ損なら加えれば次限の損益分となる。益分は積み、損分は減じれば、その下の遲疾度となる。
  • 八百二十分を一限の日率とし、八百二十分ずつ累加していけば各限の日率となる(以上はすべて立成に詳しい)。

五星平立定三差之原

  • 五星はいずれも実測によってその行度を八段に分け、積差を求める。おおむね日月の法と同じである。

木星(立差は加、平差は減)

積日 積差
第一段 一十一日(五十刻) 一度二一五二九七一一五
第二段 二十三日 二度三四○五二一四
第三段 三十四日(五十刻) 三度三五四一三七二六五
第四段 四十六日 四度二三四六○九一二
第五段 五十七日(五十刻) 四度九六○四○一三七五
第六段 六十九日 五度五○九九七八四四
第七段 八十○日(五十刻) 五度八六一八○四七二五
第八段 九十二日 五度九九四三四四六四
汎平差 汎平較 汎立較
第一段 一十分(五六七八○一) 三十九秒(一六二一) 六秒(二四二二)
第二段 一十分(一七六一八) 四十五秒(四○四三) 六秒(二四二二)
第三段 九分(七二二一三七) 五十一秒(六四六五) 六秒(二四二二)
第四段 九分(二○五六七二) 五十七秒(八八八七) 六秒(二四二二)
第五段 八分(六二六七八五) 六十四秒(一三○九) 六秒(二四二二)
第六段 七分(九八五四七六) 七十○秒(三七二一) 六秒(二四二二)
第七段 七分(二八一七四五) 七十六秒(六一五三)
第八段 六分(五一五五九二)
  • 各段で測った積差の度分を実とし、段日を法として割って汎平差とする。各段の汎平差と次段の汎平差とを比べて汎平較とし、汎平較と次段の汎平較とを比べて汎立較とする。
  • 第一段の汎平較三十九秒一六二一からその下の汎立較六秒二四二二を引いた余り三十二秒九一九九を初段の平立較とし、初段の汎平差一十分五六七八○一に加えて一十○分八十九秒七十○㣲、これが定差である(秒は万位に置く)。初段の平立較差三十二秒九一九九から汎立較の半分三秒一二一一を引いた余り二十九秒七九八八を、段日一十一日五十刻で割ると二秒五十九㣲一十二纖、これが平差。汎立差の半分三秒一二一一を、段日を法として二度割ると二㣲三十六纖、これが立差。
  • 以上が木星の平立定三差の原である。

火星 盈初縮末(立差は減、平差は減)

積日
第一段 七日六十二刻五十分
第二段 一十五日二十五刻
第三段 二十二日八十七刻五十分
第四段 三十○日五十○刻
第五段 三十八日一十二刻五十分
第六段 四十五日七十五刻
第七段 五十三日三十七刻五十分
第八段 六十一日
積差
第一段 六度二六八二五一二二八一八五五九(三七五)
第二段 一十一度六○○一七五七四三五九三七五
第三段 一十六度○二五九六三七九二五一(九五三一二五)
第四段 一十九度六六九○一三六二一二五
第五段 二十二度二七九八九一四七六○七(四二一八七五)
第六段 二十四度一六八二二八六○三二八一二五
第七段 二十五度三三一五五六二四九二六(○一五六二五)
第八段 二十五度六一九五一五六六
汎平差
第一段 八十二分○六五七三四八四三七五
第二段 七十六分○六六七二六一六七五
第三段 七十○分○五八八五八一○九三七五
第四段 六十四分一八二九六九二五
第五段 五十八分四三九○五九六○九三七五
第六段 五十二分八二七一二九一八七五
第七段 四十七分三四七一七七九八四三七五
第八段 四十一分九九九二○六
汎平較
第一段 六分一三九八四七二九六八七五
第二段 六分○○七八六八○七八一二五
第三段 五分八七五八八八八五九三七五
第四段 五分七四三九○九六四○六二五
第五段 五分六一一九三○四二一八七五
第六段 五分四七九九五一二○三一二五
第七段 五分三四七九七一九八四三七五
汎立較
第一段 一十三秒一九七九二一八七五
第二段 一十三秒一九七九二一八七五
第三段 一十三秒一九七九二一八七五
第四段 一十三秒一九七九二一八七五
第五段 一十三秒一九七九二一八七五
第六段 一十三秒一九七九二一八七五
  • 汎平較は前が多く後が少ないので、汎立較を加えるべきである。初段の汎平較六分一三九八四七二九六八七五に汎立較一十三秒一九七九二一八七五を加えて六分二七一八二六五一五六二五、これが初日の平立較である。初段の汎平差八十二分二十○秒六五七三四八四三七五に初日の平立較六分二七一八二六五一五六二五を加えて八十八分四十七秒八十四㣲、これが定差。初日の平立較六分二七一八二六五一五六二五に汎立較の半分六秒五九八九六○九三七五を加えて六分三三七八一六一二五を実とし、段日で割ると八十三秒一十一㣲九十九纖、これが平差。汎立較の半分六秒五九八九六○九三七五を、段日七日六十二刻五十分を法として二度割ると一十一㣲三十五纖、これが立差。

火星 縮初盈末(平差は負減、立差は減)

積日
第一段 一十五日二十五刻
第二段 三十○日五十刻
第三段 四十五日七十五刻
第四段 六十一日
第五段 七十六日二十五刻
第六段 九十一日五十刻
第七段 一百○六日七十五刻
第八段 一百二十二日
積差
第一段 四度五三一二五一八五七九六八七五
第二段 九度一○二九六一四五一二五
第三段 一十三度五三一六七○九○一七七三七五
第四段 一十七度四七八九七九○四
第五段 二十○度八四三六六三○六六四○六二五
第六段 二十三度四三一三三六二四一二五
第七段 二十五度○九二四三五二八三四六八七五
第八段 二十五度六一八三七四七二
汎平差
第一段 二十九分七一三一二六九三七五
第二段 二十九分八四五七七五二五
第三段 二十九分五七八三五五○六二五
第四段 二十八分六五四○六四
第五段 二十七分三三三九五一五六二五
第六段 二十五分六一八○一七七五
第七段 二十三分五○六二六二五六二五
第八段 二十○分九九八六八六
汎平較
第一段 (一十三秒二六四八三一二五) 一十三秒五七六九七七五
第二段 (二十六秒八四一八○八七五) 六十五秒五八七二九七五
第三段 (九十二秒四二九一○六二五) 三十九秒五八二一三七五
第四段 (一分三二○一一二四三七五) 三十九秒五八二一三七五
第五段 (一分七一五九三三八一二五) 三十九秒五八二一三七五
第六段 (二分一一一七五五一八七五) 三十九秒五八二一三七五
第七段 (二分五○七五七六五六二五)
  • 汎立較のうち一定している三十九秒五八二一三七五を取り、第一段の汎平較一十三秒二六四八三一二五と比べた余り二十六秒三一七三○六二五を較較とする。これを第一段の汎平差二十九分七一三一二六九三七五に加えて二十九分九十七秒六十三㣲、これが定差。較較二十六秒三一七三○六二五を段日一十五日二十五刻で割ると一秒七二五七二五。さらに汎立較の半分一十九秒七九一○六八七五を段日で割ると一秒二九七七七五。両者を合わせて三秒○二㣲三十五纖、これが平差。汎立較の半分一十九秒七九一○六八七五を、段日一十五日二五を法として二度割ると八㣲五十一纖、これが立差。
  • 以上が火星の平立定三差の原である。

土星 盈厯(立差は加、平差は減)

積日 積差
第一段 一十一日(五十刻) 一度六八三二四五(八二八七五)
第二段 二十三日 三度二三二一六四○一
第三段 三十四日(五十刻) 四度六二○九三○○(八六二五)
第四段 四十六日 五度八二三七一九六
第五段 五十七日(五十刻) 六度八一四七○八六(六八七五)
第六段 六十九日 七度五六八○七一一一
第七段 八十○日(五十刻) 八度○五七九八四一(九一二五)
第八段 九十二日 八度二五八六二二八八
  • 汎平差・汎平較・汎立較の表は、底本のこの箇所では版面の桁が入り乱れており、括弧内の数字が正しく段ごとに揃っていない。底本の字面のまま次に写す。
汎平差・汎平較 汎立較
第一段 (一十四分六 三五十八秒四六九二 ○二五○) 七秒(三三二五四)
第二段 (八五三五  一十四分○六十五  秒八五二) 七秒(八八七八八)
第三段 (六七五四八 五三五一十三分三九 七十三秒) 七秒(三四○○○)
第四段 (二五七四  ○二五四八五三五   一十二分) 七秒(六八十○秒)
第五段 (八六○二六 五九三七五四八五三 五一十一) 七秒(分八五八十)
第六段 (八秒三一  六六六二五四四七  二五四八) 七秒(五三五一十)
第七段 (一分九九十 五秒八六八二一九三○ ○七五四)
第八段 (八分九七六七六四)
  • 第一段の汎平較からその下の汎立較を引いた余り五十○秒九一七九七五を平立較とする。平立較を本段の汎平差に加えて一十五分一十四秒六十一㣲、これが定差。平立較から汎立較の半分三秒七四二六七五を引いた余り四十七秒一七五三を、段日十一日五十刻で割ると四秒一十○㣲二十二纖、これが平差。汎立較の半分を段日で二度割ると二㣲八十三纖、これが立差。

土星 縮厯(立差は加、平差は減)

積日 積差
第一段 一十一日(五十刻) 一度二四一九七四(二六八七五)
第二段 二十三日 二度四一三七三五六九
第三段 三十四日(五十刻) 三度四八五○七九(六八六二五)
第四段 四十六日 四度四二五八○一六八
第五段 五十七日(五十刻) 五度二○五六九七(○九三七五)
第六段 六十九日 五度七九四五六一三五
第七段 八十○日(五十刻) 六度一六二四一一(○○四七五)
第八段 九十二日 六度二七八三七八
  • この段の汎平差・汎平較も、盈厯と同じく底本の桁が入り乱れている。底本のまま写す。
汎平差・汎平較 汎立較
第一段 (一十分七九九 三十○秒五七七六二五  二七三二五) 八秒(七五四九五)
第二段 (一十分四九  三十九秒二四五○三   八二二七五) 八秒(七五四九五)
第三段 (一十分一○一 四十八秒○六八○二五  三七二二五) 八秒(七五四九五)
第四段 (九分六二   五十六秒七一三○八   九二一七五) 八秒(七五四九五)
第五段 (九分○五三  六十五秒五二八六二五  四七一二五) 八秒(七五四九五)
第六段 (八分三九   七十四秒三七九一五   ○三○七五) 八秒(七五四九五)
第七段 (七分六五四  八十三秒○八九四二五  五七○七五)
第八段 (六分八二四三二四)
  • 第一段の汎平較からその下の汎立較を引いた余り二十一秒七七二三七五を平立較とし、本段の汎平差に加えて一十一分○一秒七十五㣲、これが定差。平立較から汎立較の半分四秒三七七四七五を引いた余り一十七秒三九四九を、段日一十一日五十刻を法として割ると一秒五十一㣲二十六纖、これが平差。汎立較の半分を段日を法として二度割ると三㣲三十一纖、これが立差。
  • 以上が土星の平立定三差の原である。

金星(立差は加、平差は減)

積日 積差
第一段 一十一日(五十刻) 空度四○二一三四(○九八七五)
第二段 二十三日 空度七九一三九三六六
第三段 三十四日(五十刻) 一度一五四九一二(○八一二五)
第四段 四十六日 一度七四九八二二七六
第五段 五十七日(五十刻) 一度七五三二五九(○九三七五)
第六段 六十九日 一度九六二三五四四八
第七段 八十○日(五十刻) 二度○九四二四二(三一六二五)
第八段 九十二日 二度一三六○五六
汎平差 汎平較 汎立較
第一段 三分(四九六八一八二五) 五秒(五九七六二五) 三秒(七二九四五)
第二段 三分(四四○八四二○○) 九秒(三二七○七五) 三秒(七二九四五)
第三段 三分(三四七五 一十三秒○七一二五 六五五二五) 三秒(七二九四五)
第四段 三分(二一七  一十六秒七○○六  八五九七五) 三秒(七二九四五)
第五段 三分(○四九一 二十○秒五四六二五 一五四二五) 三秒(七二九四五)
第六段 二分(八四三  二十四秒二九九二  四四八七五) 三秒(七二九四五)
第七段 二分(六○一五 二十七秒九四三二五 七四三二五)
第八段 二分(三二一八)
  • 第三段以下は底本の桁が入り乱れており、汎平差と汎平較が一つの括弧に押し込まれている。底本のまま写した。
  • 第一段の汎平較とその汎立較とを引き合わせた余り一秒八六八一七五を平立較とし、汎平差に加えて三分五十一秒五十五微、これが定差。平立較と汎立較の半分一秒八六四七二五とを引き合わせた余り三十四纖を、段日一十一日五十刻を法として割ると三纖、これが平差。汎立較の半分を段日を法として二度割ると一㣲四十一纖、これが立差。
  • 以上が金星の平立定三差の原である。

水星(立差は加、平差は減)

積日 積差
第一段 一十一日(五十刻) 空度四四○八四七(三五三七五)
第二段 二十三日 空度八六三一○一六八
第三段 三十四日(五十刻) 一度二五三八九六(三七六二五)
第四段 四十六日 一度六○○三六四八四
第五段 五十七日(五十刻) 一度八八九六三一(○四三七五)
第六段 六十九日 二度一○八八五六六五
第七段 八十○日(五十刻) 二度二四五二九二(一一三七五)
第八段 九十二日 二度二八五六四四三二
  • 汎平差・汎平較・汎立較の表は、底本のこの箇所も桁が入り乱れている。底本のまま写す。
汎平差・汎平較 汎立較
第一段 三分(八三三四 八秒○八五五二五 三九二五) 三秒(七二九四五)
第二段 三分(七五二  一十一秒八六一  六一三三) 三秒(七五七二九)
第三段 三分(四五六三 四四一十五秒五八 二二五四) 三秒(二八二五七)
第四段 三分(二九四  五四七九一十九  秒二○五) 三秒(四七二二七)
第五段 三分(五七二九 四五二八六三二十 三秒○三) 三秒(一二五○一)
第六段 三分(七二五  七二九四五○五  六二十六)
第七段 二分(秒七三一 四三二一七五七八 九○三十)
第八段 二分(○秒四○二二)
  • 計算の手順は金星と同じ。求めると定差三分八十七秒九十㣲、平差二十一㣲六十五纖、立差一㣲四十一纖。
  • 以上が水星の平立定三差の原である。

五星に共通する扱い

  • 右のとおり五星はいずれも立差を秒、平差を本、定差を総とする。五星は各々段次によって秒を掛け、木・土・金・水の四星は本を加えるが、火星だけは本を較べる。各々積日によって積み、五星はみな総を較べ、さらに各々積日を掛けると、実測した度分が得られる。
  • 五星の積日はみな度率で周日を割り、三百六十五度二十五分太を得て、各々その四分の一を象限とする。ただし火星だけは象限の三分の一を用い、象限から引いたものを盈初縮末限、象限に加えたものを縮初盈末限とする。度を日と呼ぶのは、各々盈縮厯を取って掛け割りするのに便利だからで、実際には積日の数がそのまま積度なのである。

里差刻漏

  • 二至の差股および出入差を求める術。所測の北極出地四十度九十五分を半弧背とし、先の割圓弧矢の法によって出地の半弧弦三十九度二十六分を推し、これを大三斜の中股とする。測って得た二至の黄赤道内外度二十三度九十分を半弧背とし、同じ法によって内外の半弧弦二十三度七十一分を推す(これはまた黄赤道の大句であり、また小三斜の弦でもある)。
  • 内外の半弧弦を自乗して句羃とし、半径を自乗して弦羃とし、二つの羃を引き合わせて開方すると股が得られる。股を半径から引いた余り四度八十一分が二至の出入矢、すなわち黄赤道の内外矢である。
  • 夏至の日、南から地平までは七十四度二十六分半。これを半弧背として、日下から地までの半弧弦五十八度四十五分を求める。半径六十○度八十七分半を大三斜の中弦とする。
  • 大三斜の中股三十九度二十六分に、二至の内外半弧弦二十三度七十一分を掛けて実とし、半径六十○度八十七分半を法として割ると一十五度二十九分、これが小三斜の中股(また小股ともいう)である。小三斜の中股一十五度二十九分を日下至地の半弧弦五十八度四十五分から引いた余り四十三度一十六分が大股である。出入矢四度八十一分を半径六十○度八十七分半から引いた余り五十六度○六分半が大股弦である。
  • 大股弦に小股一十五度二九を掛けて実とし、大股四十三度一六を法として割ると一十九度八十七分、これが小弦、すなわち二至の出入差半弧弦である。二至の出入差半弧弦から法どおりに二至の出入差半弧背一十九度九十六分一十四秒を求める。二至の出入差半弧背一十九度九六一四を、二至の黄赤道内外半弧弦二十三度七十一分で割ると八十四分一十九秒、これが度差分である。
  • 黄道の毎度の昼夜刻を求める術。求めようとする毎度の黄赤道内外半弧弦に二至の出入差半弧背を掛けて実とし、二至の黄赤道内外半弧弦を法として割ったものが、その度の出入差半弧背である(別法として、黄赤道内外半弧弦に度差八十四分一十九秒を掛けても出入差半弧背が得られる)。
  • 半径から黄赤道の内外矢(すなわち赤道の二弦差。前条の立成に見える)を引き、残りを倍し、さらに三倍した数に一度を加えると日行百刻度となる(別法として、黄赤道内外矢を倍して全径から引き、残りを三倍して一度を加えても同じく日行百刻度が得られる)。
  • 毎度の出入半弧背に百刻を掛けて実とし、日行百刻度を法として割った数が出入差刻である。二十五刻に対し、黄道が赤道の内にあれば出入差刻を加え、外にあれば減じた数が半昼刻。これを倍して昼刻とし、百刻から引いて夜刻とする。
  • 例として冬至後四十四度の昼夜刻を求める術。冬至後四十四度の黄赤道内外半弧弦一十七度二十五分六十九秒(これはまた黄赤道の小弧弦で、前の立成から取る)に、二至の出入差半弧背一十九度九十六分一十四秒を掛けて実とし、二至の黄赤道内外半弧弦二十三度七十一分を法として割ると一十四度五十二分八十五秒、これが出入半弧背である(別法として、黄赤道内外半弧弦一十七度二五六九に度差○度八四一九を掛けても一十四度五二八五が得られ、これが出入半弧背である)。
  • 半径六十○度八七五から、四十四度の黄赤道内外矢二度五十一分八十一秒(これはまた赤道の二弦差で、前の立成から取る)を引いた余り五十八度三十五分六十九秒(すなわち赤道の小弦)を倍して一百一十六度七十一分三十八秒、これを三倍して一度を加えると三百五十一度一十四分一十四秒、これが日行百刻度である(別法として、黄赤道内外矢を倍した五度○三分六十二秒を全径一百二十一度七十五分から引いても一百一十六度七十一分三十八秒が得られ、これを三倍し一度を加えても同じく日行百刻度となる)。
  • 出入半弧背一十四度五十二分八十五秒に百刻を掛けて実とし、日行百刻度三百五十一度一十四分一十四秒を法として割ると四刻一十三分七十五秒、これが出入差刻である。二十五刻から出入差刻四刻一十三分七十五秒を引くと(冬至後四十四度では黄道が赤道の外にあるので引く)余り二十○刻八十六分二十五秒、これが半昼刻。倍して四十一刻七十二分半が昼刻、昼刻を百刻から引いた余り五十八刻二十七分半が夜刻である(別法として、出入差刻四刻一十三分七十五秒を倍した八刻二十七分半を春秋分の昼夜五十刻から引くと四十一刻七十二分半で昼刻となり、倍した刻を五十刻に加えると五十八刻二十七分半で夜刻となる。昼で減ずるから夜では加える。以下これに倣う)。
  • 黄道毎度昼夜刻の立成が掲げられているが、底本のこの箇所は数表の版面で、翻刻された文字を持たない。
  • 右の厯草が載せる昼夜の刻分は、大都(すなわち燕京)の晷漏である。夏の昼と冬の夜は最長で六十一刻八十四分、冬の昼と夏の夜は最短で三十八刻一十六分。明は燕に遷都したのに、これに従うことを知らなかった。正統己巳(正統十四年、1449年)にだけ奏請が認められて六十一刻を用いて頒暦したが、諸人がこぞってこれを非難し、景泰の初めには再び南京の晷刻に戻した。明の世が終わるまで、ついに改めることができなかった。