民國演義第六十三回 洪寵妃、情を売り女党を庇い、陸将軍、病を托し親翁に見ゆ (洪寵妃賣情庇女黨 陸將軍托病見親翁)
安静生の失脚危機と復権
- 観劇事件で袁世凱に叱責された女官長安静生は、周姨・洪姨の取りなしにより処分を免れる。以後、女官の管理を厳格化し、袁の信頼を回復する。
- 安静生自身は、夫(張景福)を宮中の会計係に取り立ててもらい、宮中で夫婦同居を果たす。
女官たちの秘め事
- 女官金翠鴻は侍従武官との密会を安静生に見つかるが、俸給の上納と引き換えに黙認される。後に妊娠・堕胎で床に伏す。
- 女官沈畹蘭は袁世凱の出納帳を任され寵遇されるが、それまで出納を掌握し着服していた洪姨に妬まれ、金銭紛失の濡れ衣を着せられて自ら命を絶つ。真相は洪姨の策略だった。
川湘方面の攻勢と広西工作
- 湖南西境が黔軍に攻略され、袁世凱は李長泰・湯薌銘・馬継増らに討伐を命じる一方、劉顕世を罷免、龍覲光を臨武将軍・雲南査弁使に任じ広西から雲南へ進撃させる。
- 龍覲光は娘婿の縁を持つ広西将軍陸栄廷を頼るが、陸栄廷は仮病を使って協力を渋り、巡按使王祖同も曖昧な態度で軍費・募兵に応じない。
- 実際には陸栄廷は反帝制の立場で、岑春煊・梁啓超らと連絡を取り、独立の機をうかがっていた。
- 龍覲光は広西で募兵に苦労しつつも約二十営を編成し、五路に分けて雲南へ進発させる。
評語
- 著者は、前半の宮中秘話と後半の外事叙述が呼応し、内は妃妾の裏切り、外は陸栄廷・王祖同の面従腹背を描くことで、袁世凱の帝制がいかに内外から見放されていたかを示すと総括する。