高士傳卷三 龐公
峴山の暮らしと劉表との問答
- 龐公は南都襄陽の人である。峴山の南に住み、城郭の中には一度も入らず、夫婦は互いに賓客のように敬い合った。荊州刺史の劉表が招請したが屈することがなかったため、表は自ら訪ねて言った。「我が一身を保つことと、天下を保つことと、どちらが優るだろうか。」
- 龐公は笑って答えた。「鴻や鵠は高い林の梢に巣を作り、日暮れになれば宿るべき所を得る。蛟や鼉は深い淵の底に穴を掘り、夕べになれば宿るべき所を得る。人が進退・出処を選ぶのも、また人の巣穴のようなもの。それぞれがその宿るべき所を得るだけのことで、天下は保つべきものではない。」
- そこで表は諦め、龐公は畦の上で耕し、妻子は前で草を取った。表は指さして問うた。「先生は畑仕事に苦労なさりながら官禄を受けようとせず、後世子孫に何を遺すおつもりか。」
- 龐公は答えた。「世の人は皆子孫に危うさを遺すが、私だけは安らぎを遺す。遺すものは違っても、遺さないわけではない。」表は嘆息して去った。
- その後、龐公は妻子を連れて鹿門山に登り、薬草を採ったまま帰らなかった。