高士傳卷二 王斗

斉宣王を諫める

  • 王斗は斉の人。道を修めて仕官せず、顔歜と同じ時代の人であった。あるとき斉の宣王の門を訪れ、王に会おうとした。
  • 王が謁者を遣わして招き入れさせようとすると、斗は「私が趨って王にお目にかかれば、勢力を好む者になる。王が趨って私に会いに来られれば、士を好む者になる。王はいずれをお望みか」と告げた。謁者がこれを伝えると、王は「先生、しばしお待ちを。私が参りましょう」と言い、自ら門まで趨って迎え、「先王の宗廟を奉じ社稷を守っております。先生の直言、忌憚なき諫めを伺いたい」と述べた。
  • 斗が「王の国と民を憂う心は、王が尺の絹を愛おしむ心にも及びません」と言うと、王は「どういうことか」と問うた。斗は「王が冠を作らせるとき、側近には作らせず職人に作らせるのは、その技量を求めるからです。今、王が斉国を治めるのに、側近ばかりを用いるなら、私は絹一尺を愛おしむにも及ばないと申すのです」と答えた。
  • 王は立ち上がって「私は国家に対して罪がある」と謝し、五人の士を登用して官に任じた。斉国はこうして大いに治まり、王斗の力によるものであった。