高士傳卷二 段幹木
節を守り出仕せず
- 段幹木は晋の人。若くして貧しく卑しい身分で志を遂げられず、清節を修めて西河に遊学し、卜子夏に師事した。
- 田子方・李克・翟璜・呉起らと共に魏にあって皆将となったが、幹木だけは道を守って仕官しなかった。魏の文侯が会おうとしてその門を訪ねると、幹木は塀を越えて避けた。文侯は客の礼をもって遇し、その庵の前を通るたびに車上で敬礼した。
- 御者が「幹木は一介の布衣です。その庵に敬礼までなさるのはやり過ぎではありませんか」と問うと、文侯は「段幹木は賢者だ。勢利になびかず君子の道を懐き、路地に隠れ住みながらも名声は千里に馳せている。どうして敬礼せずにいられよう。幹木は徳において私に勝り、義において私より富んでいる。勢は徳に及ばず、財は義に及ばない」と答えた。
- また宰相にと請うたが受けなかった。後に文侯が謙って強く面会を求め、語り合うと、文侯は立ったまま疲れても休もうとしなかった。文侯の名声が斉の桓公を超えたのは、段幹木を尊び、卜子夏を敬い、田子方を友としたためである。