高士傳卷一 嚙缺

経歴

  • 嚙缺は堯の時代の人。許由は嚙缺を師と仰いだ。

堯と許由の問答

  • 堯は許由に「嚙缺は天子の位を継がせるにふさわしいか。王倪を通じて招きたい」と尋ねた。
  • 許由は「危うい、天下を危うくするだろう。嚙缺は聡明で機敏だが、人としての資質をもって天の位を受けようとする者だ。彼は過ちを禁じることには通じているが、過ちの生じる根本を知らない。人為に乗じて天の道を欠くおそれがあり、自らの身を基準に他を計り、知に頼って軽々しく動き、物事に振り回され、四方に気を配って場当たり的に応じ、変化に流されて恒常を持たない。とても天子の位にふさわしい人物ではない」と答えた。