高士傳卷一 被衣

師の系譜

  • 被衣は堯の時代の人。堯の師は許由、許由の師は嚙缺、嚙缺の師は王倪、王倪の師は被衣という師弟の系譜であった。

嚙缺への教え

  • 嚙缺が被衣に道を尋ねると、被衣は「姿勢と視線を正して澄ませば天の調和が訪れる。知覚と物差しを一つにまとめれば、神が宿り徳が備わり、道がおのずと住みつく。生まれたばかりの子牛のような無垢の目を持ち、物事の由来を詮索してはならない」と説いた。
  • 語り終わらぬうちに嚙缺は眠り込んでしまった。被衣は大いに喜び、歌いながら立ち去り、「姿は枯れ骨のよう、心は消えた灰のようであれ。ありのままの知は理由づけを要さず、ぼんやりと自らを保って無心であれば、はかりごとを寄せつけない。あの者はいったい何者か」と述べた。