契丹が宋朝に贈る誕生日の礼物
- 宋朝皇帝の誕生日に北朝(契丹)が献じた品々。刻絲花羅の御様透背の御衣七襲または五襲、七件の紫青貂鼠翻披または銀鼠鵝項鴨頭納子、塗金銀装の箱、金龍水晶帯(銀匣を副える)、錦縁帛皺皮の靴、金玦束皂白熟皮の靴鞋、細錦透背清平内製御様・合線摟機綾あわせて三百匹、塗金銀龍鳳鞍勒・紅羅匣金線方韉二具、白楮皮黒銀鞍勒・氈韉二具、緑褐楮皮鞍勒・海豹皮韉二具、白楮皮裹筋鞭一条、紅羅金銀線刺繍雲龍紅錦の武具一副、黄樺皮纒楮皮弓一張、紅錦袋皂雕翎羱角骲頭箭十本、青黄鵰翎箭十八本、法漬法麹麪麹酒二十壺、蜜漬山菓十束(欞椀入り)、疋列山梨柿四束(欞入り)、榛栗・松子・郁李子・黒郁李子・麪棗・楞梨・堂梨あわせて二十箱、麪秔麋梨粆十椀、蕪萸白塩十椀、青塩十椀、牛・羊・野猪・魚・鹿の干し肉二十二箱、御馬六匹、散馬二百匹。
- 正旦(元日)には御衣三襲、鞍勒馬二匹、散馬百匹。国母(皇太后)はさらに御衣・珠を綴った貂裘・細錦刻絲透背・合線御綾羅綺紗縠御様、果実・雑粆・干し肉など百品、水晶鞍勒、新羅酒、青白塩を贈った。国主(契丹皇帝)はさらに賓鉄の刀などの武具、海東青などの鷲・鷹類を贈ることもあった。
- 承天節(契丹皇太后の誕生日)には、庖人(料理人)に本国の珍味を持たせ、前日から禁中で調理させて献上したという。
宋朝が契丹の誕生日に贈る礼物
- 契丹帝の誕生日に、宋は金の酒食器・茶器三十七件、衣五襲、金玉帯二条、烏皮・白皮の靴各二足、紅牙の笙・笛、觱栗(篳篥)、拍板、鞍勒馬二匹(纓複鞭を副える)、金花銀器三十件、銀器二十件、錦綺透背・雑色羅紗綾縠絹二千匹、雑綵二千匹、法酒三十壺、的乳茶十斤、岳麓茶五斤、塩蜜菓三十罐、乾菓三十籠を贈った。国母(皇太后)の誕生日にもほぼ同数の品を贈った。
- 正旦には金花銀器・白銀器各三十件、雑色羅紗綾縠絹二千匹、雑綵二千匹を贈った。
宋朝が契丹の使者を接待する物品
- 契丹の使者が毎年宋の境内に入ると、宋は常参官・内職官各一人を仮に少卿・監・諸司使以上の資格として接伴に当てた。内諸司の供帳は三番に分け内臣が担当した。白溝駅では宴を賜り、貝州では茶・薬各一銀合を賜り、大名府でもさらに宴を設け、都に近づくと開封府判官が慰労し、台省官・諸司使が班荊館で出迎え、都亭駅で金花・銀灌器・錦衾褥を賜った。
- 朝見の日には正使に金塗銀冠・皂羅氈冠・衣八件・金鞢帯・烏皮靴・銀器二百両・綵帛二百匹を、副使には皂紗折上巾・衣七件・金帯・象笏・烏皮靴・銀器百両・綵帛二百匹・鞍勒馬各一匹を賜った。随行の上節十八人には各々練鵲錦襖および衣四件・銀器二十両・綵帛三十匹を、中節二十人には各々宝照錦襖および衣三件・銀器十両・綵帛二十匹を、下節八十五人には各々紫綺襖および衣四件・銀器十両・綵帛二十匹を賜り、いずれも金塗銀帯を加えた。上節・中節にはさらに綵鞵(靴)を加えた。宿館では生餼(食材)として、正使に粳米・粟各十石、麺二十石、羊五十頭、法酒・糯米酒各十壺を、副使に粳米・粟各七石、麺十五石、羊三十頭、法酒・糯米酒各十壺を賜った。
- 承天節にはそれぞれ衣一襲を別に賜った。
- 立春に際しては金塗銀鏤の幡勝・春盤を賜り、節帥に命じて玉津園で弓の射会を伴わせ、使者に銀飾の箭筒・弓一張・箭二十本を賜り、的中した者にはさらに窄袍・衣五件・金束帯・鞍勒馬を賜った。
- 館にいる間、節句に当たれば臣を遣わし宴を賜った。
- 帰国の日には長春殿で五献の酒を賜り、正使に盤裘暈錦窄袍および衣六件・銀器二百両・綵帛百匹を、副使に紫花羅窄袍および衣六件・銀器百両・綵帛百匹を賜り、いずれも金束帯・雑色羅錦綾絹百匹を加えた。随行者にも各々紫綾花絁錦袍と銀器・綵帛を加えて賜った。
- 出発に際してはさらに銀瓶・合盆・紗羅・注椀などを賜り、近臣に班荊館で餞別させ、開封府推官が郊外で送り、接伴の正副使がそのまま送伴を務め、道中でも度々宴を賜った。
外国からの貢進物
新羅国の貢進物
- 金器二百両、金抱肚一条(五十両)、金鈔鑼五十両、金鞍轡馬一匹(五十両)、紫花綿紬百匹、白綿紬五百匹、細布千匹、麁布五千匹、銅器千斤、法清酒・酢あわせて百瓶、脳元茶十斤、藤造器物五十事、成形人参(数量不定)、無灰木刀擺十箇、細紙・墨(数量不定)。
- 新羅国は年を定めず、八節(八つの節句)ごとに貢献し、使者は正官を帯びながら自らを陪臣と称した。
横進物件
- 粳米五百石、糯米五百石、五彩を織り成した御衣(金の量は不定)。
契丹が新羅への回賜として贈る物
- 犀玉腰帯二条、細衣二襲、金塗鞍轡馬二匹、素鞍轡馬五匹、散馬二十匹、弓箭器仗二副、細綿綺羅綾二百匹、衣着絹千匹、羊二百口、酒菓子(数量不定)。
- いずれも刺史以上の官を使者に充て、一行六十人で本国まで送り届けた。
契丹が奉使に賜る物件
- 金塗銀帯二条、衣二襲、錦綺三十疋、色絹百匹、鞍轡馬二匹、散馬五匹、弓箭器一副、酒菓(数量不定)。
- 上節の従人には白銀帯一条・衣一襲・絹二十匹・馬一匹、下節の従人には衣一襲・絹十匹・紫綾大衫一領を賜った。
西夏国の貢進物
- 細馬二十匹、麁馬二百匹、駝百頭、錦綺三百匹、織成錦被褥五合、蓯蓉・石塩・井塩各千斤、沙狐皮千張、兎鶻五隻、犬子十隻。
- 西夏国も年を定めず八節ごとに貢献した。契丹の回賜は羊を除き新羅国とほぼ同じだが、玉帯は金帯に代え、使者への労賜も同様であった。
諸小国の貢進物
- 高昌国・亀茲国・于闐国・大食国・小食国・甘州・沙州・涼州は、三年に一度、およそ四百余人の使者を遣わし契丹に貢献した。
- 貢物は玉・珠・犀・乳香・琥珀・瑪瑙器・賓鉄の兵器・斜合黒皮・褐黒糸・門得糸・怕里呵・碙砂・褐里糸(いずれも細毛で織り上げたもので二丈を一匹とする)など。
- 契丹の回賜は少なくとも四十万貫を下らなかった。