十六国春秋南涼錄三 隂利鹿

忠節を貫いた従者

  • 陰利鹿は出自不詳。傉檀に仕え、傉檀が乞伏熾磐のもとへ逃れる際、ただ利鹿だけがこれに従った。傉檀が「親属さえみな背いたのに、なぜお前だけが留まるのか」と問うと、利鹿は「身を委ねて臣となった以上、忠と孝の義を両立させることはできません、羈靭を背負って陛下にお仕えするのが臣の分です」と答えた。傉檀は「大臣・親戚はみな私を捨てて去ったのに、忠義を終始欠かさなかったのは卿ただ一人だ」と嘆じ涙を流してこれを送り出した。