十六国春秋前涼錄六 張肅

忠義に殉じた叔父

  • 張肅、寔の叔父。建威将軍西海太守となった。劉曜が長安に迫った際、肅は先鋒として救援に赴くことを願い出たが、寔はその老齢を理由に許さなかった。肅は「狐も死ぬときは生まれた丘に頭を向けるという、心は本を忘れないものだ、羯族の逆賊が天を覆い朝廷が傾覆せんとしているのに、私だけが辺境で安逸を貪り、難に際して奮起しなければ、どうして人臣と言えようか」と述べた。寔は「叔父上はすでに高齢で気力も衰えておられます、軍旅の事は老いた身に堪えられるものではありません」と述べ、これを止めた。長安が守りきれず愍帝が蒙塵したと聞くと、肅は悲憤のあまり没した。