十六国春秋前秦錄十 姜宇
生涯
- 姜宇、字は子居、天水冀北の人。若くして孤児となり貧しく、河北の陳不識の家で羊飼いをしていた。十五歳、身長七尺九寸、聡慧で容姿も美しく、毎夜専ら読書に励み、眠くなると頭を屋根の梁に懸けて夜明けまで学び続けた。不識はその非凡さを認め娘を娶らせようとしたが、妻は反対した。不識は酒宴を設け娘に密かに宇の様子を観察させ、母の反対を伝えると、娘は「宇の器量と才を見るに、いつまでも人の羊を飼うだけの身であるはずがありません」と答え、ついに娶わせた。宇はのちに堅に仕えて屯騎・南巴の二校尉、涼寧二州刺史を歴任し、京兆尹・御史中丞にも至った。淮南の敗戦(淝水の戦い)の際、宇は尚書領前将軍として河間公琳と共に慕容冲を撃ったが、冲に殺された。