十六国春秋前燕錄十 公孫永
生涯
- 公孫永、字は子陽、襄平の人。若くして学を好み恬淡虚静な人柄で、平郭の南山に隠棲し妻を娶らず、自ら耕作したもの以外は口にしなかった。山谷で詩を吟じ悠然と自足し、九十歳を過ぎてもその節操を崩さなかった。公孫鳳と共に暐に招かれ鄴に至ったが、暐に会っても拝礼せず、王公以下が訪ねても言葉を交わさず、厳冬盛夏を通しても泰然としていた。一年余りして狂人を装い、暐は永を平郭へ送り返した。のちに苻堅が改めて礼を尽くして招こうとしたが、高齢で道が遠いことを憚り使者を送って様子を尋ねさせたところ、使者が着く前に永は没していた。堅は深く悼み崇虚先生と諡した。