十六国春秋前趙錄十 陜の婦人

生涯

  • 陜県に住む名も伝わらぬ十九歳の寡婦。舅姑によく仕え、再婚を強いられても顔を傷つけてまで貞節を誓った。舅姑の死後、その娘に濡れ衣(母殺しの罪)を着せられ、役人が真相を調べぬまま処刑してしまったが、烏が悲しげに屍の上で鳴き続け、真夏にもかかわらず十日間死体が腐らず虫獣にも荒らされないという奇瑞が起きた。その地は一年余り雨が降らなかったが、新任の太守呼延謨が冤罪を見抜いて讒言した娘を処刑し墓前に祭ると、たちまち大雨が降ったという。