十国春秋卷一百三 荆南四 列傳 荆南仙女

荆南仙女

  • 荆南仙女は平江節度使王保義の娘である。幼い時から聡頴でただならず、五歳で『黄庭内外経』に通じ、成長すると琵琶を善くした。ある夕、夢に水を渉り山巓に登ると金銀の宮闕が見え、中に仙人が羽服を披て自ら麻姑と称するのが見え、楽曲を伝授された。これより毎夕夢にこれと遇い、そのたびに音律を指授され、歳余りにして百余調を得たが、いずれも人間に曾てなかったものであった。その中でとりわけ優れたものを独指商と名づけ、一指をもって一曲を弾じ、さらに擅奇(絶技)とされた。まもなく文献王の子保節に嫁いだが、再び麻姑が夢に現れて「まもなくお迎えに参ります」と告げた。翌日、庭中に雲鶴の音楽が聞こえ、仙女は奄然として逝った。