十国春秋卷九十九 閩十 列傳 僧從展
「去即印、住即印破」
- 僧従展は福州の人で、姓は陳氏である。十五歳で雪峰義存に礼して師とし、その後呉楚の間を遊歴し、また戻って雪峰に仕えた。
- 貞明四年、漳州刺史の王(底本には名の一部が欠けており不明)は保福院を創建して彼を迎えて住まわせた。開堂の日、刺史以下の者たちは跪いて礼を尽くし、三度請うて、みずから彼を扶け助けた。
- ある日、太祖は使いを遣わして朱記(朱印の証書)を院に送らせた。従展は堂に上って印を提げて「去れば即ち印し、住まれば即ち印は破れる」と言った。その玄妙な言葉は甚だ多く、ここに録し尽くさない。
- 後に太祖に伝わり、(太祖は)奏して命服(官の礼服)を加えたが、たちまち微かな病を示して逝った。