十国春秋卷八十九 吳越十三 僧無作
僧無作
- 僧無作は字を不用といい、姓は司馬氏、蘇州の人である。母の戴氏がはじめ妊娠したとき、沙門で徐姓を称する者が「もと流水寺の住持であったが、ここに寄って安居したい」と言う夢を見て、心中ひそかに異とした。まもなく無作を生んだ。幼くして聡頴なること絶倫で、出家を願い出たが父は許さなかった。まもなく髪を剃り、閩の僧義存に参学し、深く堂奥に入った。武肅王がこれを重んじ召して明州に居らせたが、そのついでに辞して山へ帰り、詩を残して「恩を銜んで国に入りしといえども、疾を辞して却って山に還る」と詠んだ。