十国春秋卷八十五 呉越九 列傳 鍾匡範

離水犀帯と瑞石山の伝説

  • 鍾匡範、唐の鎮南節度使鍾傳の第二十子である。鍾氏がすでに滅ぶと、匡範は母とともに来降し、武肅王に大いに礼遇された。時に匡範は王に雲鶴通天離水犀帯一囲と玉盂一事を献上した。玉盂は常に五羽の雀の雛をその中に覆っており、炭を熾して久しく燃やした後に開けて見ると、雀の雛はすでに飛び去っていた。これも一つの不思議な出来事であった。武肅王は玉盂を受け取り帯を返して、銭二万緡を贈った。匡範はその帯を持って碧波亭に赴き、許彦方に命じてその帯を身に結ばせて水中を歩かせたところ、水は七尺ほど開き、ついに瑞石山に至って岸に登った。国中の人々は大いに驚き異とした。