十国春秋卷七十五 楚九 列傳 翁宏
詩名で知られた桂州の人
- 翁宏、字は大挙、桂州の人である。昭・賀の間に寓居し、詩に巧みなことで名を知られた。暁月を詠んで「漏光は井甃に残り、欠けた影は山椒(山の頂)を背にす」と言い、人を送る詩に「万木は残秋の裏、孤舟は半夜の猿」と言い、また宮詞に「落花人独り立ち、微雨燕双び飛ぶ」と言った。これが最も当時に称賛された。
- 同邑に裴諧という者があり、唐人の裴説の弟である。武穆王の時、桂嶺に隠れ、これもまた歌詠に巧みで、湘江吟に「風は山火を回して断ち、潮は岸氷を落として高し」と言った、これもまた佳句である。