十国春秋卷六十四 南漢七 列傳 曾芳

曾芳

  • 曾芳はどこの人か詳らかでない。昔、漢代に広州刺史となった者があり、曾芳はその子孫である。南漢に仕えて程郷令となり、政は清く刑は簡にして、仁愛をもって聞こえた。当時、程郷の民は瘴癘(風土病)に苦しんでいたが、曾芳は薬を給してこれを救い、遠近から求める者は日に千百を数え、後を絶たなかった。曾芳はそこで大きな袋に薬を盛って井戸の中に置き、病人に汲んで飲ませたところ、皆たちまち治って起き上がった。後の人はその井戸を「曾井」と名づけ、井戸のそばに祠を立て、邑人はこれを祀った。水を飲んで病が癒えるのは初めのままであった。