十国春秋卷四十七 前蜀十三 列傳 青城道士

要約

青城道士は姓氏の詳らかでない人物で幻術に長け、常に人気のない場所で法を行うと、西王母・巫山神女・麻姑・鮑姑ら諸々の仙姫がみなその召しに応じて現れたと伝えられた。あるときは突然、城中に金の楼閣を化現させて人々を惑わせたため、後主はその妖しさを察知し、密かに人を遣わして捕らえさせようとしたが、数か月にわたって捕らえることができなかった。

のちにようやく青城の道上でこれを追い詰め、犬や豚の血を浴びせて捕縛して獄に下し、尋問したところ、自ら「民間の処女を歴訪しては容成の術(房中の術)をほしいままに行い、命を落とした者は数え切れない」と白状し、ついに誅に処された。この一段は前後する僧貫休・杜光庭ら道釈の異能者の列伝群の最後に置かれ、正統な道を修めた高僧・道士たちに対して、幻術を弄び人を惑わし害する妖しの徒として対照的に描かれている。同じ巻の割注には、玄学に精通していたという道士王僑や、丹薬を売って刺史に迫られ怒りを買い篾籠に入れられ江に沈められたが漁師に救われ仙となったという爾朱先生の逸話なども付記されている。

現代語訳全文

生涯

  • 青城道士は、その姓氏は詳らかでない。幻術に長け、常に人気のない場所で法を行い、西王母・巫山神女・麻姑・鮑姑ら諸々の仙姫が皆その召しに応じて至ったという。
  • また突然城中に金の楼閣を化現させて衆を惑わせた。後主はその妖しさを知り、密かに人を遣わしてこれを捕らえさせたが、数か月捕らえられなかった。後に青城の道上でこれを追いつめ、犬や豚の血を浴びせて獄に下し、尋問したところ、自ら「民間の処女を歴訪し、容成の術(房中術)をほしいままに行い、死んだ者は数え切れない」と語った。ついに誅に伏した。