十国春秋卷三十八 前蜀四 列傳 皇后金氏
皇后金氏
- 皇后金氏は名を飛山といい、成都の人である。父は農業を業とし裕福であったが子がなく、媪(妻)と敬い合うこと賓客のようであった。媪は懐妊して十余月、生まれるとき、たまたま大風雨があり、赤竜が庭を繞(めぐ)るのを見て、后が生まれた。この日、山が飛んで来て家に至ったので、これによって名づけた。年十六にして姿容絶世で、あわせて絵事(絵画)に長じた。乾徳の初め、掖庭に選ばれて入った。髙后が廃されるに及び、冊立されて皇后となったが、まもなくまた廃に坐した。貴妃銭氏が力を尽くして弁じたことにより復して中宮の位に正った。咸康元年、後主に従って唐に降り、これに死んだ。