十国春秋卷二十一 列傳 杜業

経歴

  • 杜業()は、その家柄が分からない。初め呉に仕えて顕位になく、南唐に入ってしだいに要職を得、昇元の頃には兵部尚書・枢密使を兼ねた。
  • 業は思慮深く権謀に優れ、兵籍・民賦を掌中に収めるように把握していたので、烈祖は大いにこれを寵任した。
  • 妻の張氏は非常に妬み深く、部屋に妾を置くことを絶対に許さず、業はこれを厳父のように畏れていた。烈祖はかつて元敬皇后に命じて張氏を内庭に召し寄せ、これを諭して言った。「業は今位望が高いのだから、側室を置いても良いのに、どうしてこのように拘り忌むのか。それは婦人の道にふさわしいものであろうか」と。張氏は涙を流して言った。「業はもとより向こう見ずな者に過ぎず、たまたま時世に恵まれて主に出会っただけです。陛下がお使いになっているのは、ただそのつたない力がまだ尽きていないだけのことにすぎません。まして彼は早くから体が衰えて病がちであり、これを放縦にすれば必ず深く損なうことになり、任務に怠りが出て朝廷にご迷惑をかけることになりましょう。これは実に旨に従いがたいことでございます」と。烈祖は大いにこれを賢いとし、直ちに褒賞を加え、銀の盆や彩色の反物を賞として与えた。業はその後の仕官もそれほど昇進せず、結局は疲労困憊のうちに卒した。