十国春秋卷十二 列傳 張軍師
張軍師
- 張軍師は、正史にその名が伝わっていない。占筮を得意とした。景福元年(892年)六月、孫儒が宣州で太祖を包囲した。
- その前日、軍師は太祖に語って言った。「明日は大水が起こり、正午には孫儒は首を差し出すことになりましょう。」その時は炎天が照りつけ、孫儒の軍勢はまさに盛んで、軍中の者たちはこの言葉をひどく嘲笑った。
- ところが翌朝になると、西北に雲が現れ、箕(み)ほどの大きさから次第に広がり、たちまち大雨が降り出し、大水が一気に湧き起こった。
- 孫儒は諸将に言った。「城中は大水が我らに及ぼうとしている。各陣営はそれぞれ自分の身を顧みるがよい。互いに助け合う余裕はない。」
- ほどなく水深は一丈余りとなり、城内からただちに兵を出して孫儒を迎え撃ち、その陣営を襲って孫儒を捕らえて斬った。軍師の言葉はこうして的中したのである。