- 要旨: 王三省は、人の生来の資質はもとは大差がないのに、材質の純雑と後天の習慣によって賢不肖が分かれるとし、『人物志』を修身と人材登用の双方に不可欠な書として評価する。
人を知る難しさ
- 人の徳性は生まれついた資質を受け継いで形づくられ、初めにはさほど違わない。しかし最後には隔絶するほどの差が生じる。それは材質の純粋さと混雑、資質の高下、習慣の善悪によるもので、三品・五儀という区分もここにかかわり、賢者と不肖者は別の道へ進む。
- だから人を見抜く知恵は古人にとっても難題だった。言葉や外貌だけで人を採ることを聖人が是認しなかったのも、そのためである。劉邵が『人物志』を著した意義もここにある。
修身と任用への効用
- 自己を修める者はこの書によって自らを省察でき、人を用いる者はこれを鑑として他者を見定められる。したがって廃してはならない。
- とりわけ人を採用したり退けたりする局面では、その選択が人材の進む方向を左右するため、慎重でなければならない。選抜を精密にして能力に合う職へ配置し、いったん任せたら専一に信任して私情を挟まなければ、真の人材が用いられ、大いなる政治の道も実現する。
- 反対に、一方の言葉だけを聞いて判断を惑わせ、正しい方法によらず人を用いながら、ただ「人材を得るのは難しい」と言うなら、蕭や艾のような悪草と良材を選別できず、魚の目を真珠に混ぜる結果になる。左馮翊の王三省が記した。