封神演義子牙、柬を発し妲己を擒にする(第九十六回 子牙發柬擒妲己)

紂王最後の親征

武王が鳴らすはずの鳴金の合図を聞き逃す間に、諸将は先を争って紂王を包囲する。魯仁傑・雷鵾・雷鵬は「主の憂いは臣の辱」と奮戦するが、哪吒・楊戩・雷震子・韋護・金吒・木吒ら子牙門下が加勢し、雷鵾は楊戩に、魯仁傑は哪吒に、雷鵬は雷震子に討たれる。東伯侯姜文煥の鞭撃を受けた紂王は後背を傷つけられ、午門へ敗走する。子牙は諸将を点検し、南伯侯鄂順の戦死を知って諸侯とともに悼む。武王は君臣の礼を乱したことを気に病むが、姜文煥は紂王の暴虐を挙げてこれを慰める。

飛廉・惡来の寝返り

負傷した紂王は魯仁傑らの死を嘆く。中大夫の飛廉と惡来は表向き励ますが、二人だけで密談し、成湯の滅亡は必至と見て、皇城陥落の際に伝国の玉璽を盗み隠し、武王入城後に献上して恩賞にあずかろうと謀る。

紂王と三妃の別れ

内宮に戻った紂王は、妲己・胡喜媚・王貴人に戦況の絶望を語り、自害を覚悟して別れの酒宴を開き、詩を詠む。妲己は自分たちが武芸・道術に通じることを明かし、今夜のうちに周営を夜襲して形勢を覆すと申し出る。紂王はこれを喜び、三妃は甲冑を整えて出陣する。

三妖の夜襲失敗

子牙は甲子の期に紂王が滅びると見て油断していたところへ、妲己ら三妖が妖風とともに周営に夜襲をかける。陣中は一時混乱するが、子牙が門人たちに迎撃を命じ、哪吒・楊戩・雷震子・韋護・金吒・木吒が三妖を包囲、子牙自ら五雷正法で妖気を鎮める。勝ち目なしと見た三妖は妖風に乗って午門へ逃げ帰る。紂王は三妃から夜襲失敗を聞き、天意は尽きたと悟って摘星楼へ去る。

三妖、軒轅墳へ逃走を図る

紂王が去った後、妲己ら三妖は成湯の天下を滅ぼし尽くしたことを語り合い、身の置き所を失って旧巣の軒轅墳に戻ろうと決める。

楊戩・雷震子・韋護の追撃

子牙は妖孽を放置すれば後患になると考え、香案を設けて占い、三妖が逃げようとしていることを察知する。楊戩に九頭雉鶏精を、雷震子に九尾狐狸精を、韋護に玉石琵琶精を捕らえるよう軍令の柬帖を授け、三人は空中で待ち伏せる。宮中を抜け出した三妖と交戦になり、三妖は妖光に乗って逃走、楊戩・雷震子・韋護がこれを追う。楊戩は哮天犬を放って九頭雉鶏精の頭に噛みつかせ傷を負わせるが、三妖はなお逃げ続け、前方に黄色い旛と香煙が現れたところで次回に続く。