封神演義第六十一回 太極図にて殷洪、命を絶つ (太極圖殷洪絕命)

馬元、子牙を追って空しく彷徨う

馬元は姜子牙を追いかけるが、四不相に乗った子牙を捕らえられない。挑発に乗って追ううちに険しい山に入り込み、日が暮れても子牙の姿を見失う。夜になると山頂で子牙と武王が酒を酌み交わす姿や大声の嘲りが見えるが、近づくと消えてしまう。一晩中山を上り下りさせられ、馬元は疲れ果て、腹も空いてくる。

馬元、女を殺めて食らおうとする

山を降りる途中、心の病で苦しむと訴える女に出会う。助けを求められた馬元は、女を救う代わりに食おうと考え、腹を割いて血をすすり、心の臓を探るが見つからない。そこへ文殊広法天尊が梅花鹿に乗って現れる。

文殊広法天尊、準提道人に馬元を譲る

馬元は女の身体に手足が張り付いて動けなくなり、天尊に斬られかける。そこへ準提道人が現れ、馬元は「封神榜」に名が無く西方に縁があると告げ、連れて行くことを願い出る。天尊は快く応じ、準提は馬元を伴い西方へ去る。準提は先に子牙へ渡すよう打神鞭を天尊に託す。

赤精子ら、殷洪への対処を相談

天尊は相府に戻り、準提の一件を子牙に報告し打神鞭を渡す。赤精子は殷洪が拝将の期日を妨げていることを憂う。そこへ慈航道人が訪れ、殷洪を捕らえるには太極図を用いるべきだと説く。赤精子は未練を残しつつも、拝将の期限を思って了承する。

太極図での殷洪の最期

殷洪は馬元の消息が絶えたことを不安がりつつ出陣し、子牙と戦う。子牙はわざと敗走し、赤精子が待ち構える方角へ誘導する。赤精子は太極図を金橋に変え、殷洪はためらわず橋を渡ってしまう。図の中では殷洪は幻の中で敵味方の幻影に翻弄され、最後に亡き母・姜娘娘の霊、続いて師の赤精子の幻影に諭される。殷洪は許しを乞うが、半空の慈航道人が天命を優先させるよう促し、赤精子は涙を呑んで図を閉じる。殷洪は馬もろとも灰と化し、その魂は封神台へと昇る。

蘇護父子の内応と鄭倫の帰順

殷洪の死を知った冀州侯蘇護は、内密に子牙へ書状を送って夜討ちを申し出る。子牙はこれに応じて出兵させ、黄飛虎父子・鄧九公・南宮适らが湯陣に突入。劉甫・苟章は討ち取られ、鄭倫は捕らえられる。鄭倫は屈服を拒むが、蘇護が説得に努め、ついに帰順を承知する。子牙はこれを許し、蘇護父子ともども武王に拝謁させる。汜水関の韓榮はこの敗報を聞いて驚き、朝歌へ急報を送る。