五代史演義第四十六回 君側を清めんと都に入り大いに掠め、兵変に遭い駕を擁して帰を争う (清君側入都大掠 遭兵變擁駕爭歸)

承祐横死の顛末

  • 承祐を刺したのは茶酒使郭允明。鄴軍と誤認して弑したことに気づき自ら首を切って死ぬ。蘇逢吉は故太傅李崧の亡霊のような血まみれの人影に驚いて落馬死。聶文進は乱兵に斬られ、李業・後匡贊は逃亡、閻晉卿は自尽する。

郭威入都と略奪

  • 郭威は承祐弑逆の報に慟哭し、劉銖の抵抗する玄化門を避けて迎春門から入城。私邸の無事を確かめた後、兵の略奪を黙認し、白再栄・張允ら旧臣が乱兵の犠牲になる惨状が続く。

趙鳳の鎮圧と略奪停止

  • 右千牛衛大将軍趙鳳が私兵で略奪兵を射殺して治安を守る。郭崇威・王殷の進言を受け、郭威は略奪禁止を命じ、数名を処刑してようやく収まる。

太后への奏請と嗣君選定の紛糾

  • 郭威は太后に軍国事の裁断を仰ぎ、故主の喪儀を整える。馮道ら百官の会議で李業・閻晉卿・聶文進・後匡贊・郭允明を罪魁と定める。
  • 太后の教令は郭威らの平乱の功を讃え、高祖の子弟から嗣君を選ぶよう命じる。開封尹劉承勳は病重く擁立できず、結局徐州節度使劉贇(高祖の甥)を迎立することに決まるが、これは郭威の本意ではなかった。郭威は表向き従い、馮道を迎立使に立てる。

太后聴政と罪人処断

  • 太后が臨朝聴政。逃亡した李業は途中で盗賊に殺され、劉銖・李洪建・後匡贊は処刑、蘇逢吉・閻晉卿・郭允明・聶文進の首も市中に晒される。郭威は遼の侵入に備えて北征に出発する。

澶州の兵変と郭威推戴

  • 滑州で劉贇からの慰労の使者に将士が反発。澶州に至ると軍は「劉氏を再び君主にはできぬ」と郭威を取り囲み、黄旗を着せて万歳を唱える。郭威は漢の宗廟を守り略奪を禁じることを条件に受け入れ、南へ引き返す。
  • (詩:京師で怨みを晴らし権を握り北討南征を経てきた郭威が、澶州で推戴され渾名「雀児」のまま帰還したことを詠む)

評語

  • 作者は郭威の行動を「表は忠、裏は詐」と評す。清君側を掲げながら入都後の略奪を放置し、澶州の兵変も自作自演を疑わせる。馮道だけがその欺瞞を見抜いていたが、迎合して長楽老に甘んじたと批判する。