元史卷一百九十六 列傳第八十三 閔本
閔本(字宗先)
- 閔本は字を宗先、河内の人。性は剛正で敏給、志を学に刻んだ。早くに推挙されて礼部令史となり、御史大夫の布哈はその才を奇として掾に辟し、冤獄の平反で名声を高めた。御史台照磨に抜擢され、まもなく枢密院都事に遷り、監察御史を拝命、中書左司都事に遷り、5転して吏部尚書となり、戸・刑二部に移りいずれも能吏として称された。本は元来貧しく目疾もあり、かつて上章して致仕を乞うたが許されず、詔で集賢侍講学士を授けられた。
- 大明の兵が京師に迫った時、本は妻の程氏に「国事はここに至った、私は久しくこれを知っていた、功を立てて報いることができないのが恥ずかしい、この身を惜しんで生き長らえられようか」と言った。程氏は「あなたが忠に死ねるなら、私はどうしてあなたを惜しみましょうか」と言った。本はそこで朝服を着て程氏とともに北を向いて再拝し、屋の壁に「元中奉大夫・集賢侍講学士閔本死す」と大書し、それぞれ首を吊った。2人の娘、長女の真真、次女の女女は本の死を見て天に号泣し、やはりその傍で首を吊った。