元史卷一百三十二 列傳第十九 特黙齊

蜀征討の功

  • 特黙齊は図曽卜台人。諸王穆爾齊の蜀征討に従い、その後塔海・甘布・和爾齊・耨埒ら諸大帥の兵に従軍。戊午年(1258年)耨埓が涪州攻めから馬湖江に還る途上、宋兵の連艦が江を絶ったのを、特黙齊が精兵二千で撃退し舟を奪って渡江、更に横江・嘉定・宣化の三県に浮橋を築いて成都に通じさせた。耨埓はその能を評価し千人を率いて万戸錫勒塔克に従わせ碉門・黎雅・吐蕃を略させた。錫勒塔克の死後、行院塔齊が特黙齊を万戸に据えその軍を統べさせた。
  • 中統四年(1263年)蒙古漢軍万戸を授かり、至元九年(1272年)行省伊蘇岱爾の建都征討に従い、精鋭千五百で梅子嶺の戦に大勝、夜に蘇克と合流してその営を奇襲し数十級を斬り百余人を捕虜、輜重を得た。更に三千の兵を加え左丞竒爾濟蘇と乗勝進撃、建都は窮して降を請うた。また行院汪良臣・呼敦らの嘉定・重慶・瀘・敘諸州攻略に従い、功により崇慶府達嚕噶齊を兼ねた。十九年(1282年)卒し、子の巴延が蒙古軍万戸を継いで甘州を戍った。