- 履歴: 人物伝ではなく、周代の士大夫間の面会(相見)の作法を『儀礼』士相見礼を主軸に、『礼記』曲礼・少儀・玉藻の関連条文を付して記した篇。
士同士の初対面の作法(儀礼・士相見礼より)
- 訪問者は雉(きじ、冬は生、夏は乾物)を手土産(贄)に持参し、取次を通じて面会を申し込む。主人・客ともに何度も辞退の言葉を交わした上で受け入れる、という婉曲な問答の形式を踏む。
- 面会が済んだ後、主人は改めて贄を客に返そうとし、客はそれを固辞するというやりとりも定型として記される。
身分差のある面会(儀礼・士相見礼より)
- 士が大夫に見える場合は、大夫は最終的に贄を辞退する。恒常的な臣下(既に仕えている者)の場合は贄を受け取るが、後で使者を通じて返却する。
- 下大夫は雁を、上大夫は羔(子羊)を贄とし、それぞれ布で包み結ぶ作法が定められている。
- 君主に初めて見える際の作法、他国の者が見える際に君主が贄を返す作法なども記す。
君前での作法(儀礼・士相見礼/礼記より)
- 君主に燕見(内々の面会)する際は、君主の南面に応じて自らの立ち位置を正す。
- 目上の人と話す際の視線の高さ、君主から食事や酒を賜った際の作法(毒見・毎品を味わってから食する等)、君主が席を立つ際の対応など、細かな作法を列挙する。
- 自称の使い分け(士大夫は「下臣」、国内在住なら「市井の臣」、在野なら「草茅の臣」、庶人は「刺草の臣」、他国の者は「外臣」等)も規定する。
贈答品の扱い(礼記より)
- 幣(絹布)や玉を執る際の姿勢・歩き方の作法(趨らない、玉を執る時は歩幅を狭く等)を記す。