大宋中興通俗演義第六十四回 周三畏、岳飛を取り調べる (週三畏鞫勘岳飛)
入獄
- 田思中は秦檜に岳飛父子が上京中であることを報告。秦檜は迎える体を装いつつ、岳飛が臨安に入るとすぐ謀反の詔を偽って発し、張憲らと共謀したとして大理寺の獄に下す。岳飛は「天地が我が心を証すだろう」と嘆きつつ、岳雲とともに入獄する。
週三畏・何鑄の尋問
- 秦檜は中丞何鑄と大理卿週三畏に取り調べを命じる。週三畏は岳飛の忠孝の人柄を疑わず、何者かの陥れと察して真相を見極めようとする。
- 岳飛は庭で自ら詳細な経歴を供述する。若くして義勇兵に投じて以来、各地の反乱平定や金軍との数十年に及ぶ戦功、累進した官位を淡々と列挙し、最後に紹興十一年に官爵を辞し兵権を解いて隠退したことを述べ、「これが我が一生のすべての『罪』である」と結ぶ。
「精忠報国」の刺青
- 供述を終えた岳飛は衣を脱ぎ、背中に刻まれた「精忠報国」の刺青を週三畏に示し、国のために尽くしてきた自分がなぜ虜への手土産にされねばならないのかと号泣する。
- これを見た獄卒たちも涙し、週三畏も感じ入って涙を流し、秦檜を心中で奸賊と罵る。あまりの冤罪に判断がつかず、その日は岳飛を獄へ戻し、翌日改めて審理することにする。