大宋中興通俗演義第六十三回 岳飛、道月長老を訪ねる (岳飛訪道月長老)
王俊を使った捏造工作
- 張俊はさらに岳飛部下の統制官王俊(「王雕兒」と綽名される)を見出す。王俊はかつて張憲に処罰され岳飛にも面目を潰された恨みを持っており、張俊の誘いに乗って告発を引き受け、報奨として黄金を受け取る。
- 張俊は告発状の文面をあらかじめ用意し、王俊に持たせて副都統制王貴のもとへ提出させる。内容は、張憲が官爵を奪われた岳飛のために兵権奪還を謀り、岳雲の書状と孫革・於鵬の使いを通じて謀反を企てているというもの。
張憲らの捕縛と拷問
- 王貴は告発状を張俊に取り次ぎ、張憲・於鵬・孫革はそうと知らずに呼び出されて捕らえられ、鎮江の樞密院に連行される。
- 樞密院には本来罪人を裁く獄がないとの指摘を退け、張俊は無理に牢を設けて張憲を拷問。書状はすでに焼却されたと偽り、自白を強要するが、張憲は激しい拷問にも屈せず認めない。張俊は独断で供述書を捏造し、秦檜へ送る。
岳飛父子、召還される
- 秦檜は捏造の供述書を喜び、張憲らを大理寺の獄へ移す。高宗に岳飛父子を証人として召還するよう奏上するが、高宗は岳飛の忠誠を疑わず一旦は退ける。秦檜は勅命を偽って田思中を鄂州へ遣わし、論功行賞と称して岳飛父子を都へ呼び寄せる。
金山寺での予兆
- 岳飛は田思中を迎えて上京を約束するが、その夜不吉な夢を見て目覚める。子の岳雲に相談し、揚子江の金山寺にいる道月長老に夢占いを求めることにする。
- 長老は「二犬が頭を寄せて語る」夢を「獄」の字の暗示と解き、傍らの裸の二人は共に禍を受ける者を意味するとして、この上京行は牢獄の苦しみを招くと警告する。岳飛は自らの功績を頼みに聞き入れず、暇乞いをして寺を発つ。
- 長老は見送りの際、風波亭で舟中の変事に遭う危険を暗示する詩句を贈って忠告するが、岳雲が慎重を勧めても岳飛は取り合わず、舟を出させる。