殘唐五代史演義傳第二十六回 朱温、剣を掣げて王鐸を脅す (朱溫掣劍挾王鐸)
朱溫、王鐸を騙して招く
朱溫は楊彥洪を使者として泥脱崗に遣わし、朝賀から戻る途中の王鐸を城内に招いた。旧交を温める名目で酒宴を開いた。
婚姻の強要
- 楊彥洪が、朱温の世子と王鐸の娘(玉小姐)との縁組を持ちかけた。
- 王鐸は娘がすでに同臺節度使・岳彥真の子に許婚していると答えた。
- 朱溫は剣を抜いて激怒し、承諾しなければ命はないと脅した。
- 王鐸はやむなく承諾し、朱溫は聘礼として金銀十錠を贈り、弟の朱義と子の友珍を滄州へ迎えに遣わした。
王鐸夫妻の思案
滄州に戻った王鐸は妻の卓氏に事の次第を語り、憂いを見せた。卓氏は、同臺の岳家に書状で急を知らせ、岳家が兵を出せば奪い返せばよく、出さなければそのまま朱家へ嫁がせればよいと提案し、王鐸はこれに従って密書を同臺へ送った。
岳存訓、奪還を決意
- 書状を読んだ岳彥真は子の存訓に相談。
- 存訓は許婚の妻を奪われることを承服できず、自ら兵を率いて滄州へ向かい奪い返すと申し出て、彥真もこれを許した。
- 先鋒を募ると、沛邑沙陀出身の劉知遠(字・知遠)が名乗り出た。彥真は知遠を先鋒に任じ、黄驃馬を与え、二千の兵を授けた。
伏兵の策
滄州へ向かう途中、知遠は存訓と協議し、二手に分かれて大路・小路にそれぞれ伏兵を置き、炮の合図で挟撃する策を立てて実行に移した。
友珍、討たれる
- 王鐸は娘を送り出し、朱友珍・朱義の一行がこれを受け取って引き返す途中、乗馬の轡が断たれる不吉な兆しがあった。
- 知遠が行く手を阻み、朱義は逃走したが、友珍は応戦して数合の後、知遠に斬られて落命した。
- 存訓も兵を出し、香車と小姐を奪い返して同臺へ帰った。
朱溫、悲報に昏倒
敗残の朱義が事の顛末を報告すると、朱溫は激怒のあまり昏倒した。
評語
卓吾子は、朱溫が上を欺き私欲をほしいままにし、王鐸を計略にかけて酒席で婚姻を迫った不義を批判する。知遠が途中で阻まなければ存訓の婚姻は成らなかったはずであり、友珍の死も自業自得の道理によるものだと評する。