宋史卷八十三 律暦志第三十六 律暦十六(紹興統元・乾道・淳熙・会元暦)
概要
- 本巻は、統元暦(紹興五年演紀上元甲子から紹興五年乙卯歳までの積年九四二五万一五九一算)・乾道暦(上元甲子から乾道三年丁亥歳までの積年九一六四万五八二三算)・淳熙暦(上元甲子から淳熙三年丙申歳までの積年五二四二万一九七二算)・会元暦(上元甲子から紹熙二年辛亥歳までの積年二五四九万四七六七算)の四暦について、各暦の基本定数(元法・歳周・気策・朔実・歳閏・朔策・望策・弦策・中盈分・朔虚分・旬周・紀法等)を歩気朔・歩発斂・歩日躔・歩月離・歩晷漏・歩交会・歩五星の各項目ごとに併記した数表と算式である。
- 算式そのものは前出の紀元暦(律暦十二~十三、宋史卷七十九・八十)とほぼ同じ体裁であるため、本巻では「法は前暦と同じくこれを載せず」として算式の記述を省略し、各暦の数値のみを列記する形式を取っている。
歩気朔
- 元法は統元暦六九三〇、乾道暦三万、淳熙暦五六四〇、会元暦(統率)三万八七〇〇。
- 歳周(統元)二五三万一一三八、歳周日三六五日余一六八八。乾道は朞実一〇九五万七三〇八・歳周三六五日余七三〇八、淳熙は歳実五〇五万九九七四・歳周日三六五日余一三七四、会元は気率一四一二万四九三二という具合に、暦ごとに数値を異にする。
- 気策・朔実・歳閏・朔策・望策・弦策・中盈分・朔虚分・旬周・紀法についても、統元暦の数値を掲げたうえで乾道・淳熙・会元それぞれの対応する数値を割注の形で併記する(例:気策は統元一五日余一五一四秒一五、乾道一五日余六五一四秒五〇、淳熙一五日余一二二二秒二五、会元一五日余八四五五秒五〇等)。「推天正冬至」「求次気」「求天正経朔」「求弦望及日朔経日」「求没日」「求減日」の算式は紀元暦と同じ形式である。
歩発斂
- 候策・卦策・土王策・辰法・半辰法・刻法・秒法についても、四暦それぞれの数値を割注で併記する。六十四卦・五行用事日・二十四気七十二候を求める法は「四暦とも前暦と同じくこれを載せず」とする。
歩日躔
- 周天分・歳差・周天度(三暦とも三六五度余二五秒六四で共通)・乗法・除法・秒法を四暦それぞれ掲げる。
- 「常気中積及余・盈縮分・升降差損益率・朏朒積」の数表を、冬至から大雪まで二十四気にわたり、統元・乾道・淳熙・会元の四暦を並べて示す(盈/縮・升/降・益/損・朏/朒の別を気ごとに注記する形式)。冬至前後は「朒」、夏至前後は「朏」に転じ、春分・秋分の前後で「升降」が入れ替わる構成になっている。
歩月離
- 転周分・転周日・朔差日・望策・弦策、および七日・十四日・二十一日・二十八日ごとの初数・末数、上弦・望・下弦の度数、平行分を四暦それぞれ掲げる。以下の算式は紀元暦と同じ形式のため省略され、原本では日ごとの入転数値を記す数表(「一日」以下多数の版面)が置かれていたはずだが、底本では罫線のみが残り数値部分は失われている。
歩晷漏
- 二至限・象限・消息法・辰法・昏明刻・昏明余数・冬至夏至岳台晷影常数・冬至後初限夏至後末限・夏至後初限冬至後末限を掲げる。以下、毎日の消息定数・黄道去極度・赤道内外度・晨昏日出入分・半昼分・距中度・夜漏・昼夜刻・日出入辰刻・更籌辰刻・昏明度・五更攅点中星・九服距差日・九服晷景・九服所在昼夜漏刻を求める法は、いずれも「前暦と同じくこれを載せず」とする。
歩交会
- 交終分・交終日・交中日・朔差・後限・前限・望策・交率・交数・交終度・交象度・半交象度・陽暦食限(および定法)・陰暦食限(および定法)を四暦それぞれ掲げる(乾道暦にはさらに月食限・月食定法・月食既限の数値がある)。以下、朔望の入交・食甚・食分・虧初復満・帯食出入等を求める諸法も「前暦と同じくこれを載せず」とする。
歩五星
- 五星会策一五度二一分秒九〇を掲げたうえで、木星・火星・土星・金星・水星の各星について、終率(周率)・終日・歳差(周差)・伏見度・暦率・暦中度・暦策度を、統元・乾道・淳熙・会元の四暦で併記する。木星は終率二七六万四二三八秒三二(乾道一一九六万六五八一秒五五、淳熙周実二二四万九七一五秒六五、会元周率一五四三万六八三四秒九八)、終日三九八日約分八八秒七九、伏見度一三、というように暦ごとの差を示す。
- 続いて各星の運行段階(晨伏・晨疾初/末・晨次疾初/末・晨遅初/末・晨留・晨退・夕退・夕留・夕遅初/末・夕次疾初/末・夕疾・夕伏等)ごとに、常日・常度・限度・初行率の数値を、統元・乾道・淳熙・会元の四暦を列記した数表(「盈縮暦」の策数・損益率・盈積度・縮積度の数表を含む)が、木星・火星・土星・金星・水星それぞれについて掲げられている。数値は暦・星・段によって細かく異なるが(例えば火星の終率は統元五四〇万四八四六秒三九、乾道二三三九万一九〇八秒一八、淳熙周実四三九万八八〇一秒六五、会元周率三〇一八万三二六八秒八七)、いずれも既出の紀元暦・律暦十五までと同じ性質の運行定数の一覧であり、本巻はこれを四暦対照の数表としてまとめたものである。